クロはしばらく前から、腎臓だけでなく肝臓の数値まで悪くなってきていました。
急いで検査するほどではないといわれましたが、原因がわかれば早めに対処もできます。
そこで、思い切って一度くわしく調べてもらうことにしました。
結論からいえば原因は肝臓ではなく、なんと甲状腺機能亢進症でした!
今回はその検査のご報告となります。
(画像多めでちょっとボリュームあります。)
検査結果
今回は病院の健康診断のスタンダードコースをベースに、オプションで「総胆汁酸検査」と「胸部レントゲン」を追加。
スタンダード健診には、糞尿検査と詳細な血液検査、腹部エコー、腹部レントゲンが入っています。
血液検査
今回はいつもより詳細に調べるため、院内検査ではなく外部検査にだしてもらいました。
なので検査結果の用紙もいつもとちょっと形式がちがいます。
2020年5月24日(日) (慢性腎不全の診断から5年と10ヶ月目)
総タンパク(TP) 6.4(基準値:5.7~7.8)
アルブミン(ALB)3.2(基準値:2.3~3.5)
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST [GOT])51(基準値:18~51)
アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT [GPT])87(基準値:22~84)
アルカリフォスファターゼ(ALP)223(基準値:38~165)
総コレステロール(TCho) 198(基準値:89~176)
トリグリセライド〔中性脂肪〕(TG)75(基準値:17~104)
尿素窒素(BUN) 46.5(基準値:17.6~32.8)
クレアチニン(Cre) 2.53↑(基準値:0.8~1.8)
ナトリウム(Na)153(基準値:147~156)
クロール(Cl) 116 (基準値:107~120)
カリウム(K) 4.2(基準値:3.4~4.6)
カルシウム(Ca) 10.9(基準値:8.8~11.9)
リン(Pi)4.4(基準値:2.6~6.0)
グルコース〔血糖値〕(GLU〔BG〕) 112(基準値:71~148)
白血球(WBC) 67(基準値:55~195)
赤血球(RBC) 819(基準値:500~1000)
ヘモグロビン (Hb) 14.0(基準値:8.0~15.0)
ヘマトクリット値 (Ht〔PCV〕) 41.9(基準値:26~46)
———
A/G比 1.0(基準値:0.4~1.1)
総ビリルビン 0.1未満(基準値:0.0~0.4)
γ-GTP 1(基準値:0~10)
リパーゼ 23(基準値:0~30)
新SAA(猫) 3.8未満(基準値:0.0~5.5)
糖化アルブミン 9.1(基準値:6.7~16.1)
T4 5.58(基準値:0.90~3.70)
総胆汁酸Pre 0.4(基準値:0.0~5.0)
総胆汁酸Post 0.2(基準値:0.0~15.0)
SDMA 18(基準値:0~13)
ペリアクチンの効果が落ちてきたのか、体重がふたたび減少してきてます。
今回の検査では「T4」という項目の数値から、甲状腺異常が確定したようです。
(どういう検査で何を意味しているのかまでは未確認)
腎不全発覚からのおもな数値の推移
2020 | 5/24 | 3/22 | 1/19 |
体重 | 4.05 | 4.2 | 3.85 |
AST | 51 | 64 | 32 |
ALT | 87 | 109 | 63 |
ALP | 223 | 230 | 227 |
BUN | 46.5 | 46.7 | 41.9 |
Cre | 2.53 | 2.09 | 1.82 |
Ca | 10.9 | 11.7 | 10.5 |
Pi | 4.4 | 4.3 | 4.2 |
2019 | 9/29 | 6/30 | 4/21 | 2/24 |
体重 | 4.1 | 4.02 | 4.1 | 4.1 |
AST | 50 | – | 44 | – |
ALT | 112 | – | 74 | – |
ALP | 238 | 184 | 136 | – |
BUN | 34.1 | 39.2 | 43.8 | 34.0 |
Cre | 1.96 | 2.08 | 2.01 | 2.2 |
Ca | 11.2 | 11.5 | 11.5 | 11.8 |
Pi | 3.9 | 4.4 | 4.8 | 5.5 |
2018 | 12/28 | 10/30 | 7/27 | 4/8 | 1/14 |
体重 | 4.15 | 4.4 | 4.2 | 4.42 | 4.45 |
AST | – | 37 | – | – | – |
ALT | – | 59 | – | – | – |
ALP | – | 169 | – | – | – |
BUN | 35.8 | 33.7 | 36.8 | 37.5 | 37.8 |
Cre | 2.3 | 2.8 | 2.5 | 2.7 | 2.7 |
Ca | 11.6 | 12.3 | 11.9 | 12.7 | 11.2 |
Pi | 4.5 | 3.6 | 3.2 | 4.2 | 4.0 |
2017 | 10/3 | 8/20 | 5/26 | 3/26 |
体重 | 4.35 | 4.4 | 4.4 | 4.4 |
AST | – | – | – | – |
ALT | – | – | – | – |
ALP | – | – | – | – |
BUN | 37.6 | 47.2 | 36.6 | 36.9 |
Cre | 2.9 | 2.7 | 2.8 | 2.2 |
Ca | 11.7 | 10.2 | 11.2 | 10.6 |
Pi | 4.5 | 3.6 | 3.8 | 3.5 |
2016 | 12/25 | 10/30 | 9/18 | 7/15 | 5/15 | 4/3 | 2/21 |
体重 | 4.5 | 4.5 | 4.4 | 4.4 | 4.1 | 4.2 | 4.4 |
AST | – | – | – | 46 | – | – | – |
ALT | – | – | – | 61 | – | – | – |
ALP | – | – | – | 106 | – | – | – |
BUN | 37.2 | 36.5 | 37.1 | 32.6 | 31.2 | 31.0 | 26.6 |
Cre | 2.7 | 2.6 | 3.1 | 2.0 | 2.6 | 2.8 | 2.6 |
Ca | – | – | – | 9.6 | – | – | – |
Pi | 3.5 | 4.5 | 3.9 | 2.4 | 4.4 | 4.3 | 3.4 |
2015 | 12/27 | 11/1 | 9/20 | 8/9 | 6/14 | 4/5 | 1/25 |
体重 | 4.7 | 4.6 | 4.6 | 4.6 | 4.3 | 4.4 | 4.6 |
AST | – | – | – | – | – | – | – |
ALT | – | – | – | – | – | – | – |
ALP | – | – | – | – | – | – | – |
BUN | 32.9 | 33.3 | 35.5 | 47.3 | 37.7 | 36.3 | 36.7 |
Cre | 2.7 | 2.7 | 2.9 | 2.9 | 2.9 | 2.4 | 2.2 |
Ca | 10.6 | – | – | – | – | – | – |
Pi | 3.2 | 3.8 | – | 2.9 | 3.1 | 4.5 | 4.6 |
2014 | 12/14 | 10/19 | 8/23 | 7/20 | 7/18 |
体重 | 4.5 | 4.1 | 4.1 | – | 4.0 |
AST | – | – | – | – | 38 |
ALT | – | – | – | – | 32 |
ALP | – | – | – | – | 100 |
BUN | 40.9 | 39.7 | 33.1 | 31.8 | 86.5 |
Cre | 2.7 | 3.1 | 2.9 | 3.3 | 6.6 |
Ca | 10.5 | – | – | – | 10.4 |
Pi | 3.7 | 4.1 | 3.3 | 4.9 | – |
これまでの最良 | これまでの最悪
レントゲン写真
基本の腹部4枚に、胸部をオプションで1枚追加してもらいました。
「胆のうに石は見られず、胃も問題ない。」
「肝臓は一般的なサイズより少し小さい。」
「右腎3.8cm、左腎3.5cm。」
「レントゲンで見る範囲だと大きな異常は見られないが、左腎がやや小さめ。」
「大腸の蛇行がちょっとめずらしい形。」
「以前から便秘がちなのはそれが原因かもしれない。」
「写真からも内臓脂肪と皮下脂肪がはっきり確認できる。」
おデブってことですね……。
「レントゲンでみる限り、肺、心臓とも異常なし。」
エコー検査
画面のプリントを7枚もらいました。
エコーって動画で見るとまだいくらかわかるんですけども、静止画だとすごく見づらいんですよね……。
(先生もそう言ってました。)
腎臓
「左腎が少し小さい以外、今のところ構造的に大きな問題はない。」
脾臓
「脾臓は問題なし。」
肝臓
「ふつうは肝臓のザラつきが均一にうつるが、ムラが確認できる」
「見た範囲では腫瘍はなし」
肝臓にムラがあるのって、いったいどういう状況なんでしょうね…?
このときは情報が多すぎてメモとるのでいっぱいいっぱい。
くわしくつっこんで確認できませんでした。
胆のう
「胆のうもきれいで問題なし。」
黒くて丸い部分が胆のうだそうです。
膀胱
「膀胱もきれいな状態。」
検査結果を見て
悪いのは、肝臓じゃなくて甲状腺でした!
意外すぎてびっくりしましたが、先生や奥さま(看護師さん)もおどろいてました。
ずっと肝臓関係の数値が悪かったので、てっきりそれが原因だと思ってたんですよね。
今回レントゲン、エコー、血液検査とひととおりやったことで、あっさり「甲状腺機能亢進症」と診断がついた感じです。
なので肝臓は無罪。
「甲状腺ホルモンの影響による肝臓の数値異常」ということのようでした。
一つずつやっていたら、おそらく確定までにはもうしばらく時間がかかったでしょうね。
ふだんの検査よりちょっと金額かかりましたが、サクッとわかって逆によかったかも。
甲状腺
今すぐどうという危険なレベルではないようですが、甲状腺ホルモンをコントロールする薬をすすめられました。
甲状腺用の療法食もあるにはあるのですが……
- フードを完全に切り替える必要がある(ほかのフードとは併用不可)
- 甲状腺療法食はおいしくないので継続が難しい(これまでほかの猫にも不評だった)
- 基本的に療法食と薬は併用できない(ホルモン量のコントロールが不安定になるため)
という理由で、とりあえず内服薬での治療をスタートすることにしました。
薬の効果には個体差があるため、少しずつ増減しながら一番うまくコントロールできる量を探していきます。
体重
体重、ふたたび微妙に減少傾向です。
ペリアクチンの効きが悪くなってきたので、少し増量してみます。
最近は朝の1/3錠だけだと午前中ちょっと食べてあとは食べない感じになってました。
以前のように朝晩にわけ、朝1/4錠+夜1/4錠でしばらくためしてみます。
それでもだめなら微増しながら様子見で。
腎臓
尿素窒素が急激に上がっていてきているので、若干危機感をおぼえてます。
ネフガードがどうしても1日1回どまりになりがちなので、もっとこまめに飲ませるようがんばりたいです。
食べる量が減ってるのに、クレアチニンが上昇し始めてるのも心配。
肛門嚢(のう)
今回は検査優先だったのでおしりのケアはおやすみしました。
次回検査時に絞ってもらおうと思います。
参考 肛門のうのケアについて

血圧
あいかわらず自宅血圧測定はおやすみ中…
1回につき何度も測定する必要がある(平均値で判断するため)ので、時間があるときしかできないんですよね。
参考 自宅で使えるペット用血圧計

参考:さいきんの薬、フード、サプリメント
薬は甲状腺用のものが追加され、ペリアクチンが少し増量してます。
フードは飽きないようにローテーション中で、サプリメント類は変化なしです。
薬、点滴
- メルカゾール(甲状腺ホルモン抑制剤):朝晩1/4錠?ずつ(カットされたもの)
- ラプロス(腎不全薬):1日2回(朝と晩)・各1錠ずつ
- 降圧剤(フォルテコール):1日1回・1/2錠
- 食欲増進剤(ペリアクチン)※:1日2回・1/4~1/3錠ずつ
- ネフガード:1日に1~2回
- 皮下輸液:1日おきに100ml前後
- ビタミン剤:点滴100mlにつき5ml投入(4月下旬~6月初旬)
前回も書きましたが、チョビが残したビタミン剤を廃棄するのがもったいなかったので、病院から許可をもらい、最近までクロにも入れてました。
チョビは1回につき10mlでしたが、クロは1回5ml。
いつもの点滴にビタミン剤を追加したからといって、特別クロが元気になるとかそういうことはなかったですねー(笑)
甲状腺のお薬は、ホルモンを抑制するための「メルカゾール」というものがでました。
とりあえず少なめの量で1週間つづけ、副作用がみられなければそのまま1ヶ月継続。
1か月後に再検査して薬の量を調整するようです。
療法食など
4~5月のドライフード
こちらのフードをぐるぐるローテーションしてました。
この中から常時3~4種類出してます。
- JPスタイル腎臓ガードかつお
- 腎臓サポート(療法食)
- 腎ケア(BP/PP)(療法食)
- ベッツプラン エイジングケアプラス ステージ2プラス
- (新) メディファス(15歳チキン)
- (旧)メディファス 11歳から腎臓・心臓ケア老齢猫用チキン
- ピュリナNF 腎臓ケア初期ステージ対応(療法食)
- 銀のスプーン 三ツ星グルメ 腎臓の健康維持用 20歳を過ぎてもすこやかに






4~5月のウェットフード
ウェットは現在お休み中。
尿素窒素(BUN)対策
BUNを意識してつづけているサプリメント類。(老廃物の低減や便秘解消目的)
- 乳酸菌(H&JIN=旧JIN):1日2回・小さじ1ずつ
- 水溶性食物繊維(難消化性デキストリン):1日2回・小さじ1/2ずつ
- シャンピニオンエキス(美ちょう寿)※粉末にして:1日2回・1/4~1/2錠ずつ

食物繊維についてはこちら。

シャンピニオンエキス美ちょう寿についてはこちら。

クレアチニン(Cre)対策
Creを意識してつづけているサプリメント類。(腎臓の炎症抑制や血流改善目的)
- 脂肪酸サプリ(アンチノール):1日1回・1錠
- ビタミンBミックス(NOW B-50 100カプセル):1日2回・粉末をごくわずか
- AHCC(NOW ピュアAHCCパウダー):1日2回・小さじ1/3ていど
アンチノールについてはこちら。

AHCCについてはこちら。

今後の対策
BUN対策
このまま継続の予定なんですが、なにかいいものないかな~というリサーチはしてます。
Cre対策
こちらもこれ以上なにをしていいのか皆目見当つかず。
同じようにリサーチ中。
甲状腺対策
お薬をしっかり飲んでもらい、うまくコントロールしていきたいです。
甲状腺用の療法食はクロには十中八九ムダだと思うのですが、お試しとしてウェット缶くらいはあげてみるかなー…という感じ。
さいごに
私自身は、今回の検査でクロの甲状腺の問題がわかってちょっと落胆したのですが……
先生と奥さまからは微妙に「早くわかってよかったね!」的オーラ?を感じました。
今回はたまたま色々やったから総合的に判断できたんですよーラッキーでしたねー、みたいな。
それだけ甲状腺機能亢進症って、わかるまでに紆余曲折あることのほうが多いのかもしれませんね。
とりあえず甲状腺をはやくコントロールできるようになって、ついでにご飯も食べられて体重キープもできますように!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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