お待たせしました。
先日のアンケート1位で、先月とどいたペット用血圧計エルデの使用レポです。
時間と回数をかさね、しばらくじっくりためしてみてました。
レビューついでに、猫の不安定な血圧をなるべく正確にはかるポイントもご紹介します。
今回は本文がかなり長くなってしまったので、お時間のあるときにでもどうぞ。
ペット用血圧計エルデ(ERDE)
梱包
製品構成
ほかにもデータ管理用の「BPMeter」という専用無料アプリがあるらしいんですが……
(USBケーブルとアプリでPC等にデータ取りこみできるというもの)
さがしたところ、公式サイトのトリセツPDF内にだけ、アプリの説明がありました。
でも、かいてあるとおりにやろうとしてもアプリがダウンロードできないんです。
そのうちちゃんと使えるようになるんでしょうか、そのアプリ。
特徴
これまで獣医師用としてしか入手できなかったペット用の血圧計が
やっと一般レベルで入手できるようになりました。
業務用は数十万しますが、こちらの製品はその1/10以下の価格です。
エルデさんは本来、システム開発やネットワーク構築などがメインの会社。
社長さんの愛猫が病気になったことをきっかけに、
家庭で使えるペット用血圧計の必要性を感じて苦労の末に体制をととのえ、
販売へこぎつけたという経緯なのだそうです。
2013年の初夏、弊社社長土屋が飼っていたネコの「あき」が膀胱がんになりました。(中略)しかし、その時点では血圧が高過ぎて麻酔に耐えられないと。
(中略)およそ1か月半の間、血圧を下げる薬を飲ませ、週末には動物病院で血圧を測ってもらいました。(中略)毎週の通院は彼女にとってかなりのストレスだったと思います。
(中略)「自宅で測定できるペット用の血圧計があれば」そう思ってネットで調べましたが、当時は日本にもアメリカにもありません。(中略)ほとんど情報も無い中、苦労して体制を構築してようやく認可を取得し、販売にこぎつけることができました。
多くのペットと飼い主の皆様が、一般向けペット用血圧計をご自宅に備えることで、幸せな生活が過ごせることを願ってやみません。
引用 公式サイト(エルデ ペットの血圧計)※以下同
社長さんの猫への思いと熱意にうたれます。
ペット用のデジタル血圧計です。
ご家庭でワンちゃん、猫ちゃんの血圧を測ることができます。
犬・猫用です。ウサギ、モルモット、フェレットなどエキゾチック・アニマル、馬、牛、豚など家畜への使用については保証いたしません。
哺乳類以外(魚類・両生類・は虫類・鳥類など)への使用は危険ですので、絶対におやめください。電源は単三電池4本、または専用ACアダプタを使います。
ひんぱんに使うのであればACアダプターのほうがいいかもしれませんが、
相手は好きかってにうごくいきものですし、
小まわりのきく電池式のほうが便利なような気もしました。
家族の一員であるワンちゃん、猫ちゃん。毎日の健康管理は大切です。そして血圧は健康のバロメータ。住み慣れた我が家で、優しい飼い主さんに抱かれて血圧が測れれば安心。エルデのPES-1700は日本で始めて動物用一般医療機器として認可を取得したペットのための血圧計です。どなたでも、どこでも、ペットの血圧が測れます。
抱いてはかると動いて数値がブレそうなので、
ねているときにさくっと測定するほうが、個人的にはおすすめです。
使う前の準備
当然ですが、箱からだしたままではまだ使えません。
おためし用の電池がついているので指定箇所にセットします。
単三電池が4本必要です。
本体側面に付属のチューブをつなぎます。
電源をいれ、日付と時刻を設定します。
そして腕帯(カフ)を巻けば、スタートボタンで測定開始できます。
取扱説明書
仕様
動物用医療機器製造販売番号:第29-82号
類型:加圧検査又は脈波検査用器具
一般的名称:血圧検査又は脈波検査用器具 クラス分類:一般医療機器
販売名:エルデ ペット用血圧計
商品形式名:PES-1700
表示方式:デジタル表示方式
測定方式:オシロメトリック法
加圧方式:自動
血圧測定範囲:0~290mmHg
脈拍測定範囲:40~240拍/毎分
血圧測定精度:±3mmHg
使用環境条件:+5~+40度 15% RH~80%、 700hPa~1060hPa
保管環境条件:- 20~+55度 湿度95%以下
電池:単三アルカリバッテリー 4本
寸法:本体(腕帯をのぞく) 130 × 110 × 80mm
本体重量:300g
付属品:専用腕帯、お試し用単三電池4本、取扱説明書
製造販売元:株式会社エルデ
住所 〒162-0821
東京都新宿区津久戸町3番19号えひらビル
電話:03-6265-3123
第三種動物用医療機器製造販売業許可:29 製販療Ⅲ第134号
動物用医療機器製造業登録番号:29 製造療第534号
引用 取扱説明書より書き起こし
取扱説明書は公式サイトからPDFでダウンロードして内容をご確認ください。
なかみは付属冊子版とほぼおなじですが、PDFにしかのっていない情報もありました。
(専用アプリのことなど)
トリセツの内容をぜんぶ引用するとすごい文字量なので、今回は割愛します。
ペット用血圧計の使い方
基本的な使いかたは人間用とおなじ。
2.腕帯(カフ)をつける
3.ボタンをおして測定
ただ、猫の血圧は人間とちがってとても不安定、かつ不正確になりやすいそうです。
できるだけきちんとはかれるようなコツを、以下で解説します。
国際猫医学会のガイドライン
「国際猫医学会(ISFM)による猫の高血圧治療に対するガイドライン」というものが
「子猫のへや」さんで紹介されていました。
そのなかにこのような注意があります。
高精細度オシロメトリー(HDO)を用いる場合は、ちょっとした動きが収縮期血圧の計測値を変動させてしまうため、計測場所は尻尾を用いることが望ましい。
参考 ⇒国際猫医学会(ISFM)による猫の高血圧症に関するガイドライン(子猫のへや)
オシロメトリーってかなり繊細なんですね……!((((゚Д゚))))
エルデの仕様をみると測定方式がオシロメトリック法なので、
やはり動きにくいしっぽではかるほうが無難かもしれません。
さらに先日かかりつけの動物病院にいったとき、
ちゃんとはかるためのポイントをおしえてもらってきました。
病院から受けた猫の血圧測定上の注意点
- できるだけリラックスした状態でおこなう
- いつも同じ部位(しっぽか足)ではかる
- なるべくおなじ時間やタイミングではかる
- 測定部は血圧計本体、心臓とおなじたかさで水平にする
- すきまがあるとうまくいかないため、測定部の毛は水でぬらすとよい
- カフはなるべくきっちり巻く
- それでも正しくでにくいので、おなじタイミングで連続5回はかる
- 5回のうち一番上と下の数値を除き、まんなかの3つの数値を平均する
え~~~~、けっこうめんどくさいな…… (◎_◎;)
クロの場合、しっぽではかるとどうしてもエラーになりがちだったため、
今回は左前足ではかってみました。
いちどぬらさずにおなじ場所ではかりましたが、ヘンな数字がでてしまいました。
感覚的に、やはりいくらかぬらしたほうがまともな数字がでやすいようです。
そのまま猫にじっとしてもらい、測定。
ちゃんとはかれれば時間は1分くらい。
それ以上かかっているときはたいていエラーになります。
「SYS」が最高血圧(収縮期血圧)、「DIA」が最低血圧(拡張期血圧)、
「PR」が1分あたりの脈拍。
リストボタンで直近5回分のデータがでます。
過去データもさかのぼって100件まで確認可能。
猫の血圧と脈の正常値とは?
一般的に「収縮期血圧で117~132mmHg、拡張期血圧で78~96mmHg」とされています。
参考 ⇒猫の「正常」を知る(子猫のへや)
測定方法などによって参照値はいくらか変動するそうですが、
オシロメトリー法による収縮期血圧の平均(正常とされる範囲)は115~139mmHgだとか。
参考 ⇒猫の高血圧症(子猫のへや)
また、猫の脈拍(心拍数)の正常値も資料によるバラツキがあり、
だいたい1分間で120~220拍とされているそうです。
参考 ⇒猫の「正常」を知る(子猫のへや)
5回測定した数値から、本当?の血圧を計算してみる
これまではかったクロの記録のなかから、3日分をとりあげてみます。
1回のタイミングにつき連続して5回測定。
病院からのアドバイスにしたがい一番上と下をのぞいた3つの数値を平均しました。
2018年11月2日
SYS(最高血圧):138
DIA(最低血圧):100
PR(脈拍):64
2018年11月8日
SYS(最高血圧):123
DIA(最低血圧):74
PR(脈拍):137
2018年11月12日
SYS(最高血圧):123
DIA(最低血圧):79
PR(脈拍):143
何回か測定してみた感想
11/2の測定はまだなれていないこともあって結果がちょっとおかしいかもしれません。
11/8や11/12の時点ではだいぶ使いなれてきたので、結果もおなじような感じに。
まんなか3回分を平均するとかなり判断しやすくなりました。
ただ数字をみるとわかりますが、同じタイミングでも一回ごとにかなりブレてます…。
ちょっとした測定時の状況の差でここまで数字が上下してしまうんですね。
これはやはり、1回測定しただけの数値で判断するのは危険そうです。
3匹の反応(クロ、チョビ、シロ)
クロ
クロはわりと毎回おとなしくはからせてくれてます。
測定自体はあまり苦労しないですみそうでした。
どうもクロの場合、しっぽだといまひとつうまくいかないんですよね。
カフに対してクロのしっぽがほそすぎるのか、私のやりかたがヘタなのか。
それでも、どの部位ではかってもそんなにいやがらないのは助かります。
チョビ
チョビにはけっこう抵抗されました。。 ・゚・(ノД`)・゚・。
はじめしっぽではかったらエラーばかりだったので、チョビも前足に変更です。
しっぽではわりとおとなしくやらせましたが、足はかなりのイヤイヤ状態。
測定中にもあばれ、エラーやおかしな数字ばかりで結局あきらめて中止に。
5回はかるべきところを4回で断念しました。
今回は4回だけなので、まんなか2つを平均しています。
SYS:139
DIA:106
PR:85
上の血圧はまずまずなんですが、下がちょっと高めかなぁ。
今回はあまりうまくはかれなかったので、
またの機会に、父に協力してもらってリベンジします。
シロ
ちょうどねむいタイミングだったのか、案外おとなしくやらせてくれました。
シロはカギしっぽのためしっぽ測定は不向きかもしれません。
おためしとして、今回はシロも右前足ではかりました。
きらいな私がはかっているせいなのか、もともとなのか、数値がけっこう高くでてます。
ていうか、これちゃんとはかれてるのかなぁ……?
まんなか3つの平均はこちら。
SYS:187
DIA:124
PR:123
いずれにせよこれはかなり高いような。
シロは心臓にも疾患があるっぽいので、そのへん関係あるかもしれません。
今後定期的にはかってみておなじような数値だったら、また病院で相談してみます。
結論
私が単独でチョビやシロに使うのはいくらか修行(笑)がいりそうです。
だれかもう一人くらい手があれば、たぶんうまくできるのでしょうけど。
何回か練習して使いなれてくれば、一人でもなんとかなるかもしれません。
こんなときにつかうのがおすすめ
個人的には、腎疾患のような持病のある猫さんの健康管理にぴったりだと思います。
たとえばラプロスだけで治療している腎臓のわるい猫さんの場合、
エルデで測定して血圧たかめなことがわかれば、
降圧剤をプラスすることでいい効果がでるかもしれません。
うちの先生によれば、腎臓用のラプロスと降圧剤のフォルテコールは
作用や目的がちがうため併用も可能だそうです。
(ただし先生によって見解がわかれる可能性もあります。)
高血圧はいろいろな臓器にダメージをあたえ、病気を進行させます。
持病を悪化させないためにも、血圧をはかってみてはいかがでしょうか。
また、病気しらずだけどそろそろ高齢になってきたという猫さんも、
今後の病気予防や早期発見に血圧計がお役だちかと思います。
価格は少々(いや、かなりか…)おたかめですが、
健康管理用にずっと使えることを考えると
将来の治療費削減にもつながるかもしれませんよ (*´∀`*)
まとめ
猫の血圧をきちんとはかるのはむずかしい!
1回はかってハイおしまい、というわけにはどうもいかなそうでした。
血圧測定はよゆうのあるときに、連続計測→計算という方式がいちばんよさそうです。
オシロメトリータイプはしっぽ測定推奨ということなので、
今後もうちょっと練習して、私もしっぽでうまくはかれるようになりたいです。
「カフを密着させる」「計測部をうごかさない」という点にも要注意ですね。
おもな入手先
発売直前のニュースリリースを見ると、価格は16,200円。
今よりかなりお安いのはどういうことでしょう(涙)
今後また値上げする可能性も、ゼロではないのかもしれません。
来年は消費税もあがりますしね………。
うっかりしてましたが、公式サイトでも購入できるようです。
しかも安い… ^^;
ちょっとしたおまけ
さて、以下は純粋に好奇心のみでやってみた、エルデの裏テストです。
- ペット用カフはどのていど圧迫感があるの?
- ペット用カフを人間に使う、まちがった方法だとどんな結果になるの?
この2点を実験してみました。
人体実験
まずは指で。
ググググーーーッとしまっていきます。
圧迫感けっこうすごい。
ふつうの人間用と大差ないですが、いちばんちがうのは音があまりでないこと。
さすがペット用。
数値でました。が……。
なにこれ。
犬猫のしっぽよりもほそい人間の指では、数値もちゃんとでないようです。
で、おつぎは手首です。
ぎっちり巻いてもカフの白いラインの最大値スレスレ。
スイッチいれるとギリギリしまって、き、きつい……。
うわーなにこれ。
やっぱりダメでした(笑)
いや、もしかしてしばらくはからないうちにすごく血圧あがってる??
心配になって、人間用の血圧計で再測定。
結果は……
いつもどおりでした。
だよね。
結論
ペット用血圧計はペットでつかい、人間用血圧計は人間でつかうべき。
(あたりまえ)
でもエルデもカフのサイズを交換すれば、人間でも使えるらしいですよ。
(公式サイトではSサイズのカフしかないですが。)
もしかすると、赤ちゃんならSサイズでもうまくはかれるかもしれませんね。
ただしい結果をだすために、機器はただしくつかいましょう。
コメント
病院で測定した際、しっぽバシバシだったので平均値は160くらいだったかと。
その後は測ってません。
3にゃんともしっぽつかんだりしましたが無理かなぁ~と諦めモード。
自分でもトライしたい商品ですけど、測れるか心配。
にゃあ×3さん
私も最初は苦戦しましたが、猫もだんだん慣れるようですよ。
昼寝中だと成功率高いです。
こんにちは。
僕は人間用の血圧計を持ってないので比較できないのですが、
SSサイズのカフを使って人間の指で血圧を測ったところ、
それなりの正確な数値が出たという方がいました。
今は使う必要が無くなってしまったのですが、
興味のある方が多いので記事にした際に、
またしてもこちらの記事をリンクさせて頂きました。
たびたびスミマセン!
情報ありがとうございました!