チョビが亡くなり、まもなく5ヶ月がたとうとしています。
つい昨日のようであり、何年も前でもあるような…。
大切な存在を失ったときはいつも、しばらくこんな感覚が続きます。
チョビの介護関係をまとめたうち、「チョビの介護とグッズ編」が未公開だったので、この機会に完成させました。
脳腫瘍の闘病まとめ記事はおそらくこれが最終になります。
チョビの介護生活
経鼻カテーテル
栄養摂取用に入れた経鼻カテーテルでしたが、食事ができなくなってからも役に立ってくれました。
経鼻カテーテルって、「入れる」だけでなく「出す」機能もあるんですね。
胃腸が機能しなくなってから悩まされたのは、大量の胃液・胆汁・胆泥の逆流。
胃に液がたまってくると気もち悪くて吐くので、体力がいっきに失われます。
カテーテルにビニールをつないでそれらを排出させれば、嘔吐回数の軽減になってくれました。
すこしでも気もち悪さをへらすため、先まわりして胃液をぬくわけです。
ただ、胃液には体に必要な栄養がたくさん含まれています。
吐き気をおさえるのと引きかえに、寿命を縮めてしまうことになるんですよね……。
それを理解した上で家族も病院も「少しでも苦痛のすくない最期をめざす」という目標を共有しました。
最後の最後まで、きめこまかいアドバイスをくれたかかりつけの先生と奥さまには、今も本当に感謝しています。
なので院長先生の回復と復帰を心より願うばかりなのです…。
お手製簡易階段
末期近くなると、イスから自力で降りる筋力がなくなりました。
跳べないのに上ろうとするし、くずれ落ちながらもひとりで降りようとする始末。
安全なケージ内で寝てもらおうと何度か移動させたのですが嫌がります。
しかたないので空き段ボールで簡易階段をつくりました。
これを設置してからはひとりでトイレにもいけるし、水飲み場へもいけてご満悦(笑)
病気で体がいうことをきかなくなってもガンコなままでしたね。
蒸しタオル
猫は体力がおちると自分で体をなめられなくなります。
きれい好きのチョビでも、やっぱりだんだんそうなっていきました。
体がくさくなったり、薬やフードでベタついたままなのはチョビ自身もイヤでしょう。
そこで毎日、朝晩の薬とごはんのタイミングで、体をきれいにすることに。
タオル水でぬらしてしぼり、30秒~1分くらいレンジでチン。
ホカホカのタオルで顔や体をくまなく、なでるようにふいていきます。
チョビ自身もこの時間が楽しみなようで、あたたかいタオルで全身をなでられている間は、目を細めてうっとりされるがままでした。
手順メモや介護日誌
容体が悪化すると、すべて一人でおこなうのがむずかしくなりました。
なので介護は分担へ。
母はこまかい作業ができないため、マッサージやトイレ掃除などのかんたんなことを。
投薬や流動食の注入など、大半は父と私で手分けします。
父に「口頭だと内容が覚えられない」と言われ、ざっくりしたメモを作ったのが上の写真。
それでもまだわかりにくいといわれたので、最終的にはチョビの介護日誌を用意して全員で情報共有しました。
介護グッズ
ここからは使ったチョビの介護グッズについて。
ピルクラッシャー
ふだんからクロの投薬用にも使っていました。(下の青いタイプ)
チョビ用にちがうタイプ(緑)を買い足したら、使い勝手にだいぶ差があったのでシェアしておきます。
使いやすかったタイプ
以前おすすめを教えてもらい買ってみた、1個め。
フタ部分(青いパーツ)の内部がとがっているのがポイントです。
本体部分(透明パーツ)もフタの形状にあわせ、すりばち状にへこんでます。
へこみがあると何もしなくてもつぶすものは中心に集まります。
そのおかげで、ゆらして内容物を調整することなく、短時間にムラなくすりつぶせました。
感覚的には手で2~3回ぐりぐり回せばおおまかに粉になる感じです。
素材にもよりますが、7~8回も回せばパウダー状粉末のできあがり。
詳細な使用レポはこちら。
使いにくかったタイプ
一方、深く考えずに買ったら思ったより使いにくかった、2個め。
パッと見の構造は最初のピルクラッシャーと大差なく見えます。
機能的にもたいして変わらないだろうと思いましたが、とんでもない。
大きな違いは、とんがりやへこみがないこと。
1個めとちがい、フタ部分も本体部分も平らにできています。
これでも一応すりつぶすことはできます。
が、つぶれたものが平面状に分散してしまうので、すべてムラなくすりつぶすにはちょっと時間がかかりました。
薬などの錠剤では、2~3回まわしたていどでは粉どころか粗みじんレベル。
7~8回まわしてザラッとした大きめの粒状。
10回以上まわしても満足のいくこまかさにはならないことが多いです。
しかも数回ごとにフタをゆるめて本体を振り、均一につぶれるよう慣らす必要もありました。
ピルクラッシャー選びのポイント
とりあえず、やわらかいものしかつぶす予定がなければ何でもいいかもしれません。
でも錠剤タイプの薬やサプリメントは、意外と硬さがあるので注意が必要です。
しっかり粉砕したいのであれば、右のようなすりばち型を強くおすすめ。
介護生活は時間に追われることが多いので、こんなちょっとの手間や時間がストレスになるんですよね。
ピルクラッシャーは内部の形状によって効率がぜんぜん違ったのでした。
簡易ケージ、簡易サークル
チョビは脳腫瘍と判明する前、旋回や徘徊などの異常行動が出ました。
目をはなすと危険なので、一時的にせよ閉じこめておけるよう利用したのが、簡易タイプのケージとサークルでした。
こちらがポータブルケージ(簡易ケージ)。
もともとは介護用というより、おもに緊急避難時などの一時スペース用として購入しました。
ポータブルケージの詳細な使用レポはこちら。
そしてこちらがポータブルサークル(簡易サークル)。
チョビの生活パターンは「昼は1階、夜は2階」です。
病気のある状態でひとりにするのはやはり心配。
なので人のいる場所にいっしょに移動させる必要がありました。
でも毎回ケージごと移動するのは手間だということで、1階には前述のケージ。
そして2階にはこの簡易サークルを用意して使い分けました。
このサークルはチョビもとても気に入ってくれ、寝るときはすすんで入ってくれてました。
チョビが使ったのはSサイズですが、ゆったり過ごさせるならMでもいいかもしれません。
ちょっと余談ですが。
1階の簡易ケージは、余力があったころはチョビ愛用の昼寝場所でしたが、末期にはほとんど入らなくなりました。
2階のサークルも最末期の数日はあまり入らず、ほとんど父の横やおなかの上で過ごしていたそうです。
末期ともなるとチョビも不安だったのか、人恋しかったのか……。
ほとんどの時間をいつものイスや、誰かのぬくもりの上ですごしていましたね。
簡易トイレ
このポータブルトイレ(簡易トイレ)は、前述の簡易ケージのシリーズ品です。
(付属品ではなく、別途購入しています。)
サイズ的にケージにすっぽり入るので、トイレを入れたまま隔離することも可能です。
夜使っていたサークルにもちょうどおさまるサイズなので、寝るときはこれだけ運んで2階用トイレとしても使ってました。
かなり長くふだんのトイレも使っていましたが、最末期は移動する体力が減退。
結果的にこの簡易トイレが大活躍してくれました。
軽いし折りたためるので、非常用としても1個あると安心かと思います。
おむつ
チョビがおむつを使ったのは最後の1~2日だけでしたが、あって助かりました。
サイズがコンパクトで、しっぽ用の穴も開いており便利です。
それでも、猫の本能なのか……
本当に最末期で足腰がたたなくなるまで、チョビは自力でトイレに行っていました。
なんだかトイレに対する強い執念すら感じたものです。
このとき使ったのは、発売されたばかりの猫用マナーウェア(=おむつ)。
これまで猫用おむつがあまり一般的でなかったのは、チョビのような、猫特有のこだわりのせいもあるのでしょうか。
状態によっては長期でおむつを使う子もいるとは思いますが…
もしかしたら、猫ではあまり多くないのかもしれませんね。
末期でも3kg以上あったチョビがSサイズだったので、体の小さい子はSSがおすすめ。
シリンジ
シリンジについてはいまだにあまり詳しくないので、一度ちゃんと調べて勉強しようと思ってます。
とりあえず、用途別に先端のタイプがいくつかあるのはわかりました。
フクの食道や経鼻チューブには左(黄色)の太い先端のタイプ。
(体が大きかったのでチューブも太かったようです。)
チョビの経鼻チューブはそれより細かったので、右のタイプでした。
経鼻チューブなどに使う場合、チューブの太さや形状によって使えるものが決まってきます。
なのでネットなどで購入するなら、事前に病院で合うものを確認しておく必要があります。
注射や点滴用とちがい、フード用のシリンジは洗えばしばらく使えます。
先端の細い部分を洗うのに便利だったのが、この理科の試験管用ブラシみたいなセット。
100円ショップなどでも買えるので、ひとつ持ってると便利かと思います。
アルコール綿
クロの点滴でも使っていますが、チョビには点滴に加え注射もしていたので、毎日最低2~3枚は必要でした。
運悪くコロナのタイミングに重なってしまい、こんなものまでが店頭から消えて青ざめたものです。
さいわいまだ少し手元にあったのと、なじみの美容師さん(猫友達)が数箱わけてくださったのとで、なんとか持ちこたえました。
アルコール綿の比較レポはこちら。
レンチン湯たんぽ
これはすごく便利なので、うちでは猫も人も大変お世話になってます。
やさしいあたたかさなのでチョビもよく使ってました。
うちではもともと輸液バッグをあたためるのにも使っています。
レンチンするより温度ムラができにくいので好きなんですよね。
密着させておくと30分くらいで適温になります。
輸液をあたため終えた湯たんぽは、そのままチョビの保温用にも使いまわしました。
(まだじゅうぶんあたたかいので)
この手のハードタイプは猫の爪でやぶけないのでおすすめ。
電気暖房器具(※非推奨)
こちらは電気カーペットや電気アンカなど。
電磁波を出し、なおかつ体を密着せるタイプの暖房器具。
チョビにこのタイプを多用させてしまったことは、私の最大の反省点といえます。
なぜかといえば、チョビの脳腫瘍発症と電磁波との因果関係がないとは言いきれないから。
一般的に、ホットカーペットなどを人間が使用する際の電磁波に、危険性はないということになっているようですが……。
猫は人間にくらべてずっと体が小さいこと。
寝ているときは頭部などを本体に密着させ、長時間すごすこと。
電磁波の影響は、人間にくらべるとずっと大きいのかもしれません。
チョビ自身このタイプの暖房器具が子どものころから大好きで……
もしかしたらよくないのかな、と思いながらも、使うままにさせてしまいました。
チョビが脳腫瘍と知って、実はまっさきに頭に浮かんだ原因がこれだったんですよね。
……最晩年までチョビが愛用していたマットもこのタイプでしたっけ。
(本来は人間用の足温マット。)
今となってはあとの祭りですが。
もしチョビの子猫時代に戻れるのであれば、絶対に使わせないと思います。
(ミニホカペや電気アンカは、もうクロもシロも使っていません。)
おまけ:あのときあれば良かったと思うもの
チョビのときには使ってあげられませんでしたが、その後に買ったこちらもおすすめです。
特に寝たきりになってしまった場合、床ずれ防止にも効果的。
コメント
ツイッターの発言を読んで、どうしてもお知らせしたい事があったので、こちらのブログまでやってきました。
初めまして。
我が家にも腎臓病の猫さんがおります。
腎性貧血もありまして、今エベレンゾ使ってます。
こちらの薬は今東大で治験中のお薬です!
東大まで行かなくても大丈夫。
主治医に相談して先生から東大に連絡すれば、通っている病院に薬を送ってくれます。
治験に参加するための条件はありますが。
これで我が家の猫さんの腎性貧血は改善してます。
宮崎教授のaim製剤の治験も早く始まると良いですね。
お互い頑張りましょう!
めぐみさん
ご来訪ありがとうございます。
返信が遅れがちで申し訳ありません。
エベレンゾの治験情報、ありがとうございます。
やっぱり猫にも効果があるんですね!
猫さんの貧血、改善して良かったですね ^^
東大まで行かなくても治験参加可能というのは、遠方に人間にはとてもありがたいです。
もし今後腎性血が出てきた場合は、ぜひとも主治医に治験の相談をしてみたいと思います。
AIMもエベレンゾも、一日も早い実用化を願うばかりです。