【猫の口内炎とステロイドの難しい関係~腎不全には痛み止めNG?!】

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2018年の庭の杏

 

3月にはいって春の陽気がつづき、庭のアンズの花がほころびはじめました。

アンズが咲くと、この時期にわずか三歳で逝った先代猫のことをおもいだします。

12日が命日です。

 

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前回の検査から3ヶ月

今回はフクちゃんの血液検査へいってきました。

病院のフク2018/3/4

病院の待合室で、キャリーバッグのなかのフクちゃん

 

前回の検査は12月。

およそ3ヶ月ぶりの検査です。

【フクの血液検査~口内炎による食欲低下に食道チューブの提案】
日曜日はフクちゃんの血液検査に行ってきました。検査はおよそ3ヶ月ぶりで、今回は7項目でした。赤血球は春からずっと基準値内をキープ。ヘモグロビンとヘマトクリットも亀の歩みではありますがじんわりと改善中。それなのに、腎臓の数値はさらに悪化しています。

 

あらためてフクのスペック

フクの口の中の潰瘍217/1/15

右上の歯ぐきがとけて歯根が露出してました

【保護時】2.9kg

  • おそらく高齢のオス(不明。10歳以上か?)
  • FIV(猫後天性免疫不全症候群)キャリア
  • 腎不全 ⇒フォルテコールと輸液
  • 栄養失調、貧血、黄疸あり
  • 心雑音あり
  • 口からのどにかけてひどい口内炎 ⇒ステロイド投薬
  • 歯周病で右上の歯ぐきがない ⇒抜歯
  • 上あごに原因不明の穴(鼻腔へ貫通。歯周病由来か)⇒縫いあわせてもふさがらず
  • 全身がハゲハゲ(のちにヒゼンダニと判明) ⇒レボリューションで駆虫

参考 クロの同居猫たちについて

 

前回の検査以降

前回おおはばにBUNが悪化していてあせりました。

口内炎のいたみで食欲がおちてもおさしみだけは食べてくれるため、

ついあげていたせいかもしれません。

 

その後おさしみはたまのごちそうていどにとどめ、

いたみをコントロールをしながらの療法食中心に切りかえてみました。

いたみさえなければ、療法食でもわりと食べてくれるようです。

 

タンポポ茶ものませていますが、量は毎朝原液10mlとごくわずか。

【たんぽぽ茶ショウキT-1で猫の腎不全は改善するか?】
猫の腎臓にも良いという「たんぽぽ茶(ショウキT-1)」をいよいよ開けてみました。果たしてクロやフクちゃんに効果はあるのでしょうか。今回は製品についての情報と、味見したときの猫達の反応などについてレポします。

 

ストレス?による毛むしりはフェリウェイをつかってもおさまりませんでした。

なめるんじゃなくて、せなかやおなか、肩、足の毛をくいちぎるんです……。

あいかわらずときどきブチブチむしってますが、

まるハゲになるほどひどくもないので、いまはそっと見まもってます。

 

検査結果

フクの血液検査結果2018/3/4

今回の検査も7項目でした。

赤字は基準値外)

体重5.1kg
尿素窒素(BUN) 67.3(基準値:17.6~32.8)
クレアチニン(Cre)3.1(基準値:0.8~1.8)
ナトリウム(Na)156(基準値:147~156)
クロール(Cl)108(基準値:107~120)
カリウム(K)4.1(基準値:3.4~4.6)
カルシウム(Ca)11.2(基準値:8.8~11.9)
リン(Pi) 3.6 (基準値:2.6~6.0)
白血球数 (WBC) 208(基準値:55~195)
赤血球数 (RBC) 637 (基準値:500~1000))
ヘモグロビン (Hb) 7.6(基準値:8.0~15.0)
ヘマトクリット値 (Ht〔PCV〕) 24.1(基準値:26~46)

参考 前回の検査:12/3

数値の推移

2018 3/4
BUN 67.3
Cre 3.1
Na 156
Cl 108
K 4.0
Ca 11.2
Pi 3.6
WBC 208
RBC 637
Hb 7.6
Ht 24.1
(Kg) 5.1
2017 12/3 9/10 7/23 4/1 1/29 1/13 1/2
TP 10.1 9.3 8.5 9.3 12.1
TBiL 0.3 2.2 2.2 4.3
AST 27 27 21 56 65
ALT 66 42 49 112 79
ALP 134 236
CPK 183 236
TCho 165 336
TG 76 132
BUN 75.7 61.3 61.1 61.9 61.6 48.2 88.4
Cre 3.1 3.0 3.3 2.5 1.6 1.4 2.7
Na 159 151 153 155 158 159
Cl 112 105 115 113 113 122
K 4.1 4.1 4.2 3.8 3.0 4.2
Ca 10.8 10.4 10.2 10.2 9.9 10.7
Pi 4.3 2.8 4.2 2.8 3.4 3.2 9.3
GLU 158 186
WBC 290 258 373 399 503 598 380
RBC 645 643 611 522 497 430 460
Hb 7.1 6.9 5.9 5.2 4.9 4.2 4.4
Ht 22.8 20.5 18.8 17.4 17.1 15.3 15.6
(Kg) 5.0 5.2 4.5 4.5 3.9 3.7 3.0
2016 12/30 12/28
TP 10.9 13.6
TBiL 4.3 4.7
AST 66 42
ALT 66 67
ALP 193 144
CPK 649 269
TCho 160
TG 144
BUN 90.4 200.2
Cre 2.8 2.8
Na 156 165
Cl 124 131
K 3.8 4.1
Pi 6.5 11.3
GLU 81
NH3 69 182
WBC 596 580
RBC 435 416
Hb 4.1 3.9
Ht 15.1 14.1
(Kg) 2.9

腎臓はなんとか維持

BUNの数値は前回からいくらか改善がみられ、全体としてはまずまず現状維持

悪化だけはくいとめたという状態です。

 

貧血は改善傾向

赤血球(RBC)はふつうに基準値内おさまるようになりました。

ヘモグロビン(Hb)とヘマトクリット(Ht)もいいかんじで改善中。

いまつかっているぶんでペットチニックの在庫がなくなるのですが、

現在どこも欠品中ですね……。

 

ペットチニック

 

販売が再開するまでFCVリキッドやヘモテクトでしのぎます。

【FCVリキッド~犬猫の貧血用サプリを試してみた(リキッドタイプ)】
フクちゃんの貧血対策シリーズとして、これまで液状のペットチニックと錠剤のヘモテクトを試してきました。先日ペットチニックとは別の液体タイプを購入し、フクちゃんにも試してもらったのでメモしておきます。
【ヘモテクト~犬猫の貧血用サプリを試してみた(タブレットタイプ)】
貧血対策として新たに採用してみた、ペット用鉄系サプリメント「ヘモテクト」の詳細と実際の使用レビューです。タブレットとしてはわりと大きめの部類なので口内炎があると厳しいかも……。うちではピルクラッシャーで粉にして使ってみました。

 

先生の見解

ステロイドをへらしたくて、いたみ止めに変更できないかを先日相談しました。

以下は先生の回答。

  • (こちらの病院で)通常だすいたみ止めは「オンシオールNSAIDs)」
  • フクちゃんに以前つかったのは「バキソ(NSAIDs)」(フエロキシカム?聞きまちがいでピロキシカムかも)
  • ただし、腎疾患と鎮痛剤はかなり相性がわるい(重度の腎不全をおこす可能性)
  • そのため、あちこちわるいフクちゃんにメタカムはむずかしい
  • たぶんステロイドのほうがまだマシ

フクちゃんの場合、いたみがあると

「食べない⇒ やせる⇒ 数値悪化⇒ さらに食べない」のマイナスループになりがち。

今後はQOL重視で、

副作用の心配よりいたみコントロールを優先するという結論になりました。

 

口内炎について

前回の通院後、ステロイド以外で口内炎を改善する方法として

インターベリー(インターフェロン製剤)もつかってみました。

【インターベリーαを使用開始~FIV由来の口内炎にも効果はあるの?】
腎不全+FIVキャリアの保護猫フク。口内炎でステロイドを飲んでいますが最近症状が抑えきれません。病院でインターベリーαという犬用インターフェロンを処方されたのですが……インターベリーっていったいどんなお薬??色々調べたのでメモしておきます。

 

一ヶ月つづけていったん終了したあともあいかわらずいたがるので、

「あんまり効果なかったかなー」と思っていたのですが……

先生によると、インターベリーの使用以降、

口内炎の赤み(炎症)がずいぶんおさまってきたように見える、ということでした。

もしかしたらインターベリー効果がつづいているのかも。

 

また、前回検査からしばらくはステロイドの間隔をあけようとがんばっていたのですが、

薬をへらすとすぐいたみで食べられなくなり、みごとに失敗しました。

先生と相談し、いたみがでない最低限のステロイド量(2日に1回)を

確実に飲ませていくことに。

いまはステロイドでいたみをおさえつつ、

きえーるの併用で口内環境の悪化をふせいでいます。

 

余談ですが、ステロイドには注射と飲み薬があるようなので、そのちがいをきいてきました。

注射
メリット:効果がつづく。飲み薬がニガテな子でもつかえる。投薬の手間がない。
デメリット:成分がながく体内にとどまるので副作用の可能性があがる
飲み薬
メリット:成分はすぐ出ていくため、注射より副作用がすくない
デメリット:効きめがみじかい。飲み薬がだめだとむずかしい。

飲み薬がつかえるうちはそっちのほうがいいということでしょうかね~ ^^;

 

食欲と体調維持への新方針

これまでいくらか自己判断でおこなっていた、

いたくても好きで食べられるものをだして、ステロイドの量をできるだけへらす

というやりかたから、

最低限のステロイドでいたみを確実にコントロールし、ちゃんと療法食を食べてもらう

という方法へ完全にチェンジ。

定期的にステロイドをのませることで、体調、体重、食欲を安定させていきます。

食欲がたもて体調もキープできれば、

前回提案された食道チューブももうすこしあとにできそうです。

 

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現状と今後

病院から戻ったフク2018/3/4

帰宅しておちついたフクちゃん。診察台の上ではものすごいガクブルでした

BUNとCre

BUNがさがったのは、自宅点滴を三日に一度100ccから

二日に一度150ccのペースにふやしたことも理由かも。

たんぽぽ茶は少量だったので、効果はよくわかりませんでした……。

 

あと、ネフガード純炭きよらも粉末にして朝晩のキドナにまぜていました。

ただキドナにはビタミンBペットチニックなどのサプリメントもまぜているため、

効果がおちるかもと考えて先月くらいから中止へ。

いまはウェットフードをだすときにだけ顆粒タイプのネフガードをまぜています。

ドライフードメインのフクちゃんにはなかなかうまくつかえていないのが現状です。

 

口内炎

ステロイドの副作用はとてもこわいのですが………

いまのフクちゃんがいたみなしで生活するには、どうやらなくてはならないもののよう。

いろいろ方法をさぐってはみたものの、ほかに方法はなさそうでした。

今後は、副作用がでやすいという肝臓や血糖値を定期的にみてもらいながらの、

長いつきあいになりそうです。

万一副作用がでたら、それはそのときですね。

その時点でまた最善をつくします。

 

まとめ

私の場合、ステロイド定期使用の覚悟をきめるまでには、

できるかぎりの情報収集が必要でした。

そして自分の価値観や、優先順位をはっきりさせることも。

 

自分のことをきめるほうが、自分で責任とるだけだからずっと気楽ですね。 ^^;

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。
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コメント

  1. コニシマイ より:

    初めてコメントさせて頂きます。
    いつもブログ拝見させて頂き参考になります。

    フクちゃん、口内炎つらそうですね(>_<)
    食欲はあるかも知れないのに、口内炎が痛くて食事がとれないかも知れないですね。

    ご存知かもしれませんが、アミノコンプレックスの、(クロロバイト)というパウダーサプリメントが口内炎や口腔病に少し効果があるようなのです。
    緑のパウダーで、食事に混ぜるか、そのまま摂取するサプリメントです。
    わが家の愛ねこは、そのまま食べてくれます(^-^)

    ドライフードでは、(ブリスミックス)というフードが口腔内の環境を整えるようです。
    総合栄養食ですが、わが家の子には、おやつがわりに与えています。

    フクちゃん、最初の頃より、すごく元気にみえます。
    愛情のおかげですねo(^-^)o

    すこしでも、長生きできる事、願っております(*^-^*)

    • M より:

      コニシマイさん

      コメントありがとうございます。
      返信が大変おそくなり申し訳ありません m(_ _)m

      まだまだ勉強不足で、クロロバイトという製品は存じませんでした。
      名前からするとクロロフィル由来のものなのでしょうか。
      クロロフィルの殺菌作用は目にしたことがありますので、なるほど、口腔ケアにも良さそうな感じですね。
      ブリスミックスという製品も初めて知りました。
      のちほど調べてみたいと思います。

      口腔ケア製品は探すといろいろあるんですね~。
      情報ありがとうございました!

  2. にゃあ×3 より:

    あちらを立てればこちらが立たず、のようですかね。
    腎臓が悪いと使える鎮痛剤ってほんとないです。
    それだけ腎臓って大事なんですよね。アセトアミノフェンがあるので頑張って転用してほしいです。

    話違いますが先日母がインフルエンザになりまして。
    病院に行ったのにきちんと話が出来なかったのか検査してもらえず。仕事から帰ってきて夜間救急に。
    年寄りの受診って難しいですね。勝手に解釈しちゃって。熱計ったとか言ってるから信用してみたらこの状況。適当に言っていたみたいで。それでちゃんとみてなきゃダメでしょ!って。
    あげく外出ダメって言われているそばから「明日◯◯病院に予約あるんです」とかいってしまい、先生激おこ。
    ちょっと大変な1週間でした。

    • M より:

      にゃあ×3さん

      私は鎮痛剤アレルギーで、唯一使えるのがアセトアミノフェンで。
      超弱い薬なので、以前手術後にそれしか飲めないときは泣きました。
      なのに!猫にはアセトアミノフェンって禁忌なんですよね~
      なんだか納得いきません ┐(’~`;)┌

      お母さまのインフルエンザ、大変でしたね。
      高齢者の受診が難しいというの、ものすごくわかります。
      こちらの予想斜め上を行く行動されたりしますね。
      年齢とともに、だんだん常識が通用しなくなっていく気が……(笑)

      そういえば昔、祖母が体調を崩してかかりつけから紹介状を書いてもらったのですが、勝手に封を開けて読んじゃったことがありました。
      (ガンの疑いで要精密検査ということが書かれていたので本人大ショック。)
      こちらもどう対応していいのか本当に困りました。

  3. にゃあ×3 より:

    アセトアミノフェンの件、調べてみました。
    ずいぶん前に疼痛コントロールの勉強ででてきたCOX2だの何だのと出てきました。
    痛み止め、本当に難しいですね。
    カロナールって、ちょーっと効果が薄いので他の薬剤も足さないと術後は厳しそうでした。

    • M より:

      にゃあ×3さん

      わー参考になります!
      といっても、病院でほかの薬足してもらえる可能性は限りなく低そうですが……。
      さんざん痛いアピールしても「1日3回までなんですよ」で終わりでした。
      極力手術はしたくないです。

  4. とらじろう より:

    フクちゃんの寝顔、癒されます~。
    ペットチニックは効果ないと以前の病院では言われたのですが、効果ありそうですね。在庫切れによくなるのと、うちのこは味が嫌いなのであげにくいですが。

    ブリスミックスはけっこう美味しいらしく、2匹中1匹は大好きでよく食べます。

    口内炎ですが、「きえーる」というペット用消臭剤(!)が効くらしいです。消臭剤といってもEMみたいな微生物を培養したものらしく、飲んでも大丈夫なものです。
    うちのこが口角炎で、抗生物質だのマヌカハニーだの歯磨きだのやってみたものの効かず、ネット検索して口内炎に効くと書いてあったので口角炎にも効くかも試してみたところ、あれあれと炎症が治まりました。最初フードにかけたり水に混ぜたりしてたときは反応が鈍かったのですが、原液をシリンジで0.2~0.3mlくらいの少量を数日あげてみたら、あっと言う間に腫れも赤みもなくなりました。もう一年以上あげていますが、体調に悪影響は全くないです。水みたいに味はないのであげやすいですよ~
    同僚の猫さんも口内炎で毎月鎮痛剤の注射頼りだったのが、「きえーる」で改善して3ヶ月注射していないそうです。食べれるようになって背中のゴツゴツ感も消えたとのこと。
    ネット検索するとヤフーでも楽天でもレビューが出てきます。

    フクちゃんの口内炎が早く治まりますように。。。

    • M より:

      とらじろうさん

      腎臓の悪い子の貧血でも鉄系サプリメントが効果があったという話は、意外と多いようです。
      ペットチニック代替品としてFCVリキッドや錠剤のヘモテクトなんかもあるので、機械があれば一度くらいは試してもみても損はないかと思います。

      きえーるは我が家でも愛用してますよ~!
      うちも口に直接原液たらしてます。
      フクちゃんが口内炎ひどくてもなんとかやってるのは、きえーるのおかげもあると思います。
      まったく不思議な「消臭剤」ですよね(笑)