活性炭製剤は、腎不全治療薬としては日本でかなりポピュラーなもので、ペットだけでなく、もちろん人の腎不全にも使用されています。
腎不全と診断されると、わりと初期のうちから病院ですすめられることもおおいですね。
腎不全薬としての炭の研究・開発は、日本でおこなわれたときいたことがあります。
そのせいか、炭の腎不全へ使用は、海外ではあまりさかんではありません。
それを「日本がすすんでいる」ととるか。
「独自の妙な治療法」ととるか。
このへんは意見がわかれるところでしょうか。
ただ、実際にこれをつかって症状が軽減したというケースはとてもおおいようです。
また、体質によってあう・あわないの差もみうけられます。
なので腎不全といわれたら、まずいちどはためしておきたいお薬かもしれません
ちなみにコバルジンが医薬品あつかいなのにたいし、ネフガードはサプリメントあつかい。
ですが効果にはほとんど差がないそうです。
追記 コバルジンについてはこちらの記事もあります。

製品名:動物用健康補助食品 ネフガード(犬・猫用)
腎機能がおちると、腎臓でろ過しきれなかった有害物質が血液にたまっていきます。
そしてその毒素は、そのまま体内をまわりつづけるようになります。
そのままほうっておけば吐きけや食欲不振はどんどんすすんでいくことに……。
ならば、腎臓が回収できなかった有害物質は腸内で吸いとろう!というのが、これらの活性炭製剤です。
今回とりあげるネフガードには粒と顆粒の二種類あるので、その使用感のちがいなどをみていこうと思います。
ネフガード 粒
このようなこぶりのボトルに90粒はいっています。
ネフガード 顆粒
顆粒のほうは、箱の中にアルミ製のスティック小袋がタテに50包。
(写真はだいぶ使ったあとです。)
パッケージ
ネフガード粒
このプラスチックのフタは、毎日開閉をしていると、わりとすぐにポロッととれますよね…… ^_^;
ネフガード顆粒
成分
ネフガード粒
ヘルスカーボン(植物性活性炭、アルギン酸ナトリウム、塩化カルシウム)、還元麦芽糖、デキストリン、植物油脂、ショ糖エステル
顆粒とくらべると還元麦芽糖、植物油脂、ショ糖エステルが追加されており、コーンスターチが無添加に。
ネフガード顆粒
ヘルスカーボン(植物性活性炭、アルギン酸ナトリウム、塩化カルシウム)、コーンスターチ、デキストリン
引用 ネフガード顆粒
粒にくらべてコーンスターチが追加されるかわりに、還元麦芽糖、植物油脂、ショ糖エステルはカットされています。
固形に加工しないぶん添加物もひかえめ。
特徴
ネフガードはフードにまぜてつかえます。
(栄養は吸いとりません。)
顆粒タイプは水にとかしてシリンジやスポイトで飲ませても大丈夫とのこと。
ただし、活性炭は薬の成分もいっしょに吸いとってしまうので、お薬の前後は30分、できれば1時間以上はあけるようにします。
腎臓が処理できなかった有害物質はまた体にまわってしまって、それが吐きけになるということです。
毒素がずっと体内をぐるぐるしているわけですね。
だから、たとえ空腹時に活性炭を飲ませても、最終的には腸のなかでしっかり吸着してくれるのだとか。
ネフガード粒
引用 共立製薬株式会社
ネフガードの主成分であるヘルスカーボンは植物を原料として作られた、自然派の活性炭です。多孔性構造体で、吸着力が強く、分子量100〜90,000位までの物質を吸着します。
◆使用方法
犬猫の体重別に1日に下記の量を目安に食べさせてください。
〜5kg:2〜3粒
6〜10kg:4〜6粒}
11〜20kg:7〜9粒
21〜30kg:10〜12粒
31kg〜:13〜15粒
犬猫の体調に合わせて2倍量まで増量することが出来ます。◆貯法
高温・多湿・直射日光を避け、食品等と区別し、小児の手の届かない場所に保管すること。貯法 高温・多湿・直射日光を避け、食品等と区別し、小児の手の届かない場所に保管すること。◆有効期間
3年間◆包装
12g(90粒)入り◆対象動物
犬、猫
ネフガード顆粒
ネフガードの主成分であるヘルスカーボンは植物を原料として作られた、自然派の活性炭です。多孔性構造体で、吸着力が強く、分子量100〜90,000位までの物質を吸着します。
◆使用方法
犬猫の体重別に1日に下記の量を目安に食べさせてください。
〜5kg:1スティック
6〜10kg:2スティック
11〜20kg:3スティック
21〜30kg:4スティック
31kg〜:5スティック
犬猫の体調に合わせて2倍量まで増量することが出来ます。◆有効期間
3年間◆貯法
高温・多湿・直射日光を避け、食品等と区別し、小児の手の届かない場所に保管すること。◆包装
50スティック/箱◆対象動物
犬、猫
公式サイトの説明がかなりあっさりなので、販売サイトからも引用させていただきました。
活性炭が老廃物を腸管内で吸着
腎臓病などで腎機能が低下すると、老廃物を十分にろ過できなくなり、老廃物が血液中に蓄積してしま います。老廃物は、血液の循環で腸管に戻ります。
ネフガードの活性炭は、戻ってきた老廃物を腸管内で吸着し、便と一緒に排出させることで、腎機能を サポートします。
ネフガードの特徴
ネフガードに使用される活性炭は、植物原料のヘルスカーボン。活性炭の副作用としてあげられる便秘もおこしにくいことが特徴です。 効率的に老廃物を除去し、再び体内に吸収されることを防いでくれます。
- 植物原料の自然派の活性炭、ヘルスカーボン使用
- 吸着力が強く、分子量100~90,000くらいまでの物質を吸着。多孔性構造体であるため、有害物質(ダ イオキシン等)・毒物などを容易に取り込み吸着・除去し、大便とともに排泄
- 継続して使用してもほとんど便秘をしない
- 無機の酸・アルカリは吸着せず、PH値を変化させないので消化酵素に影響を及ぼさない
- アルギン酸の包接により、食材に直接吸着しない(食材の栄養は奪わない)
- 腸肝循環する有害物質を吸着・除去し、再び体内に吸収されることを阻止
- 無味無臭で与えやすい
与え方のコツ
ご飯に混ぜて与えても大丈夫です。顆粒タイプは、水に入れてシリンジで与えることもで きます。体調により最大2倍量まで増やすことが出来ますが、投与量や投与期間は獣医師とご相談ください 。
粒タイプは飲ませやすい一方、崩れやすく、溶けやすいので、素早くあげてください。
顆粒タイプは少しジャリジャリ感がありますが、粒タイプとどちらが与えやすいかはペット の好みです。もし、粒タイプを購入して、顆粒にしたほうが与えやすいと感じた場合は、砕い てもかまいません(砕きすぎないよう気をつけてください)
抗生物質やビタミン剤を飲んでいる場合は、飲ませてから30分以上あけてから、ネフガー ドを与えてください(獣医さんとご相談ください)。
下痢をするなど、わんちゃん、ねこちゃんの体調が変化したときは、すぐに投与をやめて獣医さんにかかりましょう。
こんなときにつかうのがおすすめ
ネフガードはコバルジンにくらべて便秘になりにくいというのが特徴です。
コバルジンを使って便秘になってしまった猫さんには、こちらのほうがおすすめかもしれません。
「便秘になりにくい」理由は、おそらくデキストリンや還元麦芽糖(マルチトール)などのおなかがゆるくなる成分がはいっているからでしょう。
むしろおなかがゆるくなりすぎる場合もあるので、使いはじめは特に慎重にようすをみながら。
その子にあうかどうかを見きわめてあげてください。
ただ、うちの場合はなぜか、ネフガードでもクロが便秘になりました。

ほかの猫にはそのような傾向はでなかったので、反応の差はあるていど体質によるのかもしれません。
人間目線の見ためとにおい、味
コバルジン vs ネフガード粒 比較
コバルジン
コバルジンはとても小さい球状のつぶつぶで、パラッとかわいた感触でした。
水に溶けず、口にいれてもじゃりじゃりした食感のままです。
においや味はとくにありませんでした。
一粒一粒がやたら転がりやすいので、うっかりこぼすと広範囲にちらばって回収が大変です。
ネフガード粒
気になるようなにおいはありませんが、なぜかほんのわずかな甘みがありました。
(還元麦芽糖由来と思われ。)
かみくだくとキシキシというかキュリキュリというか……とにかく神経にさわる感触があってゾワッとしました (´Д`;
かまずに丸のみ推奨。
まあ猫はかまないと思いますが。
かわいた状態ではさらっとしており、むしろ指に炭がつくような粉っぽさがあります。
ところがすこしでも水分がつくと急にベタッとした感じになり、指や服が汚れるので注意が必要です。
ものすごく水に溶けやすいみたいです。
飲ませるときに失敗してペッと出されると、回収時に指にひっついてさらに飲ませにくくなりました。
一度失敗した粒は表面が乾くまでおいておくか、新しい粒を飲ませるほうがスムーズかも。
ネフガード顆粒 vs ネフガード粒 比較
ネフガード顆粒
じゃっかんの粉っぽさはカリナール粒と共通。
つぶつぶかげんは、コバルジンにくらべるとかなり大きめです。
かわいた状態ではコバルジンと大差ないようなジャリジャリぐあいなのに、水分がつくとあっさり崩壊しました。
すこし口にふくんでみたところ、ジャリジャリ感が気になるのはほんの一瞬。
すぐに舌のうえで溶けてなくなります。
水に溶けやすいのは粒同様のようです。
とくににおいはなく、こちらには甘みもありません。
活性炭の4匹の反応(クロ、チョビ、シロ、フク)
腎不全がある3匹(クロ・シロ・フク)のうち、活性炭を飲んでいるのはシロとフクだけです。
クロは以前は飲んでいましたが、どうしても便秘になるのでいまはお休みしています。
クロ![]() |
チョビ![]() |
シロ![]() |
フク![]() |
|
ネフガード 粒 | 便秘 | 拒否 | 拒否 | 痛がる |
ネフガード 顆粒 | 便秘 | 可 | 気にしない | やや拒否 |
コバルジン | 便秘 | 気にしない | 気にしない | やや拒否 |
純炭きよら 粒 | 可 | 拒否 | 拒否 | 可 |
クロ
- ウンチは1~2日に1回。そのくせすぐかたくなりやすい体質。
- 活性炭は苦くないせいか、粒をお口にポイでもすんなり飲んでくれる。
- でも炭系はウンチが出なくなりがちでちょっとニガテ。
- 現在数値が落ち着いているので、炭の投与はおやすみ中。効果は不明。
チョビ
- ウンチはかならず1日1回。なにがあってもきっちり快便。(ただしトイレのそと)
- 固形の炭を口にいれること自体が不可能。(かまれる)
- 好きなフードにほんのすこし顆粒をまぜるていどなら気にしない。(コバルジン+モンプチは無問題だった。)
- 現在はまだ必要がないので未投与。
シロ
- ウンチはほぼ1日1回。わりとたっぷり快便傾向。
- チョビ同様、口になにかを投入すること自体不可能。(パニックになる)
- 顆粒であれば、ドライフードやウェットフードにいくらかけても気づかず食べる。1日1~3回服用中。吐く頻度が劇的に減ったので効いていそう。
フク
- ウンチは3~4日に1回。意外とかたくなりにくく、すっきりたっぷり快便傾向。
- 固形の炭は口内炎にさわるといたがるが、顆粒の炭をご飯にかけると食欲がおちる。
- いまは確実に飲ませられるネフガード粒を、1日2回ガマンして飲んでもらっている。効果はまだ不明。
入手先
ネフガード粒
ネフガード粒との比較に、純炭きよらの記事もあります。

ネフガード顆粒
前出のコバルジンの記事ではネフガード顆粒との比較もしています。

今回レポしたネフガードは亡くられた猫さんの遺品をお譲りいただいたものです。その節はありがとうございました。最後まで大切に使わせていただきます。
2017年12月追記
活性炭系としてはちょっとおもしろいものが最近でていました。
ネコジーンという「腎臓ケア用活性炭サプリおやつ」です。
おためしレポがありますのでよろしければこちらもどうぞ。

コメント
ネフガードの粒と顆粒の違いをレポートしていただき、ありがとうございました。
うちはずっと粒でしたので、顆粒についてとても参考になりました。
遅ればせながら先月末よりとうとう自宅皮下輸液を開始いたしました。
今までの2軒の動物病院で出してもらえなかったのですが(自分でもする勇気もなかったのですが)、腎不全の子の脱水が進み、皮下点滴に病院に行ってもなんか量が少ないようで、1日で吸収してしまうようでしたので、他の病院に行ってみました。
(新しい病院と今までの病院の先生が知り合いなので、なんか行きにくかったのですが)
そこの先生はとても良心的かつ柔軟な考えの方で、すぐに自宅での皮下点滴を勧めてくださり、1時間くらい指導してくださいました。
でも頭で理解してもいざ猫にするとなると。。。
わたしも一人でするので本当に泣きたくりました。
今M様の2014年8月からのブログを一生懸命読ませていただいています。
記録を残してくださり、本当にありがたいです。助かります。
hskszeさん
うちもずっと粒オンリーでやっていたのですが、使い比べてみるとどれもよくできてるなーと感じます。
粒ネフ・粉ネフ・コバルジンをそれぞれ試してみると、猫の好みや個性によってどれかはいけそうな感じでしたね。
いよいよ自宅輸液スタートですか。
最初は大変だと思いますが、猫ちゃんのためにもがんばってください~。
1時間も指導してくれる先生がうらやましいです……(うちは10分で終了)
もし激しく抵抗されるようでしたら、慣れるまでこちらで紹介したグッズを使ってみるのも良いかもです。
【自宅輸液や強制給餌に使えそうなバッグ!】
こんばんは。
気温が急激に下がってしまい、今日は秋の様相です。
先日、我が家も活性炭をすすめられました。
が、飲ませる間隔などもあったのでその点伺ってみましたらかわらないですよ、と。
え?そんなんでいいの??とちょっと不安になり、帰宅。
ラプロスも砕かないでって言ってますけど?と聞いたら変わんないですよ、と。
早く言ってよ~とサンサンクラウドサービスのCM状態でした。そしたらちょっと違ってたかも。
ネフガード顆粒はあって、長男のフードに混ぜてみたけど問題なし。
役に立たないモニターだ。
食べてくれるかわからないから、お昼にあげるときにトライするかな、というところ。
今月は夜勤が2回あるので、母にお任せ給仕なのですが、あんまり食べなかったよ~なんてメールがくると、仕事どころじゃないから不安で不安で。
帰宅したら普通でしたので良かったです。
で、猫と低気圧の関係を調べたら、Mさんの気圧のお話がヒットしました。
Mさん、ご自分が思っている以上によい情報がいっぱいなんですよこのブログ。
hskszeさまもおっしゃってますが、ありがたいです。
わたしはそれで、冬場の飲み水保温のことがわかって大助かりです。
今年はどうしようかと思ってましたから。
夏より冬が厳しい我が家。オリーブオイルも固まるキッチンとして有名です。吐く息白いですから。
hskszeさま、皮下輸液頑張ってください。
私は看護職というのがバレバレなので、説明はあっさりしたものでした。10分くらいかな。それでもすごく心配でしたが、始めて2ヶ月、何とかなってます。
当のにゃんこが動かないっていうのもあるのですけど。
皮下輸液はひとりでするけど、ひとりじゃないですよ。
にゃあ×3さん
そういえば、自分で検索していてもたまにこのブログがひっかかってきて、「これじゃない! ヽ (`Д´) ノ」ってなることあります(笑)
飲み水の保温は私も目からウロコでしたね。
このブログのわりと初めの頃にコメントで教えていただいたんですよ。
私自身、コメントをいただくことですごく勉強になってるのでありがたいです。
ブログやっててよかったなーと思います。
こんにちは!
便乗コメントですww
ウチのかかりつけは何故か「今のところ週1,2回の輸液と療法食(←コレ、
食べないですけれど・・)以外、ネフガードとかカリナールとか別に
必要ないですよ」とのこと・・・
BUNとリンの数値が今までずっと基準値内だったせいなのか?
何故かカルシウム値は減ってきています(>_<)
今度の検査の時にもう一度理由をきいてみようとは思いますが、
やっぱり心配性の私としては要るんじゃないかなぁとちょっと不安です。
結局今はラプロス、オメガ3(これは関節炎の悪化を防ぐ意味もあり)、JIN、
ビタミンD(カルシウム値を上げるため病院より処方)、スープ1日100c、
あとは週1,2回の輸液のみ。
病院で点滴を受けるとなんだかその日1日は具合というかテンションが
だだ下がるようなので自宅輸液もそろそろ。。。と思っています。
皆さんがおっしゃるようにMさまのブログは本当に貴重な情報がたんまりですヨ☆
私も自宅輸液のコツの記事を最近読み直していましたもの(^_^;)
春より食べる量が以前より少し減っているにーにー、検査数値は変わらずとも
心配は尽きません。(ただでさえワタクシが妙齢なものでこれって更年期?
みたいな症状がわんさか出てきているのに追い打ちw)
にゃあ×3さまは冬の寒さが厳しいところにお住まいなのですね!
我が家も「大阪のチベット」と異名を取る所に在住しておりますww
はい、ワタクシの家も冬はオリーブオイルが濁ります!!
サバトラーニャさん
うーん、先生には先生なりの考えがあるのでしょうけどね~。
「療法食を食べないから通常食も与えていて、そのときにカリナール1やネフガードが使いたいのですが、先生はどう思われますか」
というような具体的な聞き方をしてみると、先生の考えが聞けるかもしれません。
でもそういえばうちも、病院からカリナールをおすすめされたことはないですね。(自分から聞きました。先生は基本的にサプリがお嫌い)
フクちゃんにいたっては、フォルテコールすらまだ指示されていません (;^_^A