雨がつづくとお気にいりの場所にこもりっぱなし
腎不全治療薬の活性炭製剤
腎不全用としてポピュラーなお薬に活性炭製剤があります。
猫につかえるものはおおきくわけて二種類。
石油系のコバルジン(医薬品)と、植物系のネフガード(サプリメント)です。
先日、そのコバルジンをゆずっていただく機会がありました。
(その節は大変ありがとうございました。)
これまでは病院で処方されたネフガードしか使ってこなかったので、今回はじめてつかってみたコバルジンについて、データや感想などをメモしておこうと思います。
本来医師の指示にしたがって使用するものですので、個人の判断のみで購入・使用することは基本的におすすめしません。
とくに、適合しない状態のときに使うとトラブルや体調の悪化をまねく可能性もありますので、使用についてはじゅうぶんご注意ください。
製品名:コバルジン(COVALZIN)
猫用慢性腎不全用剤(動物用医薬品) コバルジン COVALZIN
サイト 株式会社クレハ
パッケージ
ほそながい箱に、ひとつ400mgの小袋が90包
こんな感じで、おそらく3包×10枚(30コ)の束が3つ。
主成分
球形吸着炭(クレメジン原体)
※石油(石油系炭化水素由来の球形微粒多孔質炭素を高温にて酸化及び還元処理して得た球形吸着炭)
問い合わせ先
株式会社クレハ 医薬品事業開発部
(コバルジン)TEL:03-3362-7424
特徴
剤型:顆粒
袋をあけると、きれいな球形をしたちいさな粒がたくさんはいっています。
お皿にとりだしたものを拡大するとよくわかりますね。(写真左)
この粒がまたすぐに、飛びちる飛びちる(笑)
ハサミで封をカットしただけであちこちに飛んでしまいました。(写真右)
うっかり場所をえらばず開封してしまうと、あとの掃除がたいへんかも。
紙などを敷いた上で作業したほうがよいかもしれませんね。
動画で見るとよりわかるかもしれませんが、かなりサラサラとしていて指やお皿がまったくよごれません。
もっとこまかいパウダー状のものをイメージしていたので、粒は想像よりもかなりおおきめでした。
貯法:室温保存
【組成・性状】
1.組成
1包中に球形吸着炭(クレメジン原体)400mgを含有2.製剤の性状
黒色球形の粒子で、においはない。
【効能又は効果】
猫:慢性腎不全における尿毒症症状の発現の抑制
【用法及び用量】
通常1日量として400mgを数回に分けて経口投与する。
【有効成分に関する理学的知見】
化学名:炭素
性状:黒色球形の粒子でにおいはない。水、エタノール、又はエーテルにほとんど溶けない。
【一般的注意】
(1)本剤は定められた用法・用量を守ること。
(2)本剤は効能・効果において定められた適応症の治療にのみ使用すること。
【対象動物に対する注意】
1.制限事項
(1)次の場合は慎重に投与すること。
・消化管潰瘍を有する場合:個体のまま消化管を通過するので患部を刺激するおそれがある。
・便秘を起こしやすい場合:便秘を増悪するおそれがある。
・妊娠中及び哺乳中の猫に対する安全性は確立されていないので、妊娠中及び哺乳中の猫には慎重に投与すること。
・末期腎不全(たとえば、持続的な輸液の補給が必要な状態や食欲が著しく低下・廃絶した状態等)に至った場合は、本剤の投与のみでは効果が十分ではないことが予測されるため、輸液の補給など適切な処置を行う等慎重に投与すること。
・急性期の腎不全では、本剤の投与のみでは十分でないことが予測されるため、輸液の補給等適切な処置を行う等慎重に投与すること。2.副作用
ときに下痢があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合は減量、休薬等の適切な処置を行うこと、3.相互作用
他剤を併用する場合、本剤は吸着剤であることを考慮し、同時投与は避けること。4.適用上の注意
ビタミンやホルモン、アミノ酸などの生体内における恒常性について、これまで特記すべき異常は認められていないが、本剤は吸着剤であることを考慮して、特に長期投与の場合は、全身状態等に注意すること。
【取扱い上の注意】
使用済みの空容器などは適切に処分すること。
【保管上の注意】
(1)小児の手の届かないところに保管すること。
(2)本剤の保管は直射日光、高温及び多湿を避けること。
(3)誤用を避け、品質を保持するため、他の容器に入れかえないこと。
【薬効薬理】
1.慢性腎不全に対する作用
(1)腎不全モデルラットに投与したとき、腎不全病態悪化抑制(摂餌量・体重の維持、血清クレアチニン・尿素窒素の上昇抑制、糸球体濾過機能の低下抑制、腎組織病変の悪化抑制)が得られ、生存日数が延長する。
(2)腎不全モデル猫に投与したとき、クレアチニンクリアランスの低下が抑制され、尿毒症症状の発現が抑制される。
【薬物動態】
本剤標識化物をマウスに経口投与したとき、24時間後にほぼ全量が糞中に排泄され、生体内への吸収、蓄積性は認められなかった。
【臨床成績】
本剤の臨床試験は、猫慢性腎不全を対象とし、8週間の投与で実施された。用量としては、本剤400mg/日群、800mg/日群及び非投与の対照群を設定した。その結果、尿毒症症状は本剤群が対照群に比し有意に優れた改善を示した。また、対照群に比べ悪化の比率は有意に低かった。
全般改善度(%)
群 著明
改善改善 軽度
改善不変 悪化 特定
不能対照群 0.0 3.8 11.5 50.0 34.6 0.0 3.8 15.4 400mg
/日群13.5 30.8 21.2 25.0 7.7* 1.9 44.2 65.4 800mg
/日群12.5 33.3 25.0 25.0 4.2* 0.0 45.8 70.8 *対照群と比較して有意差有り(P<0.01)
2002年5月改訂 1999年11月作成
日本標準商品分類番号:879679
引用「ちびこの部屋」さんごはんレビュー内の説明書画像ほか
※コバルジンをいただいたとき説明書はなかったため、ネットで公式の説明書データや画像をさがしたのですが見つからず、こちらの画像を参考に書きおこしさせていただきました。
こんなときにつかうのがおすすめ
コバルジンの副作用として便秘(まれに下痢)があげられているので、お腹の調子がわるいときはやめておくほうがいいかもしれません。
便秘が不安な場合、食物繊維や乳酸菌といっしょにとるとすこしはましかも??
コバルジンは腸内で有害物質を選んで吸着するようにつくられているため、ドライフードやウェットフードにまぜて使うことができます。
ただ、粒がおおきくて水や油にもとけないので、なめらかなウェットフードだとジャリジャリ感がちょっとめだつかも。
逆に、まるのみにちかい状態で食べるドライフードなら、コバルジンの異物感があまり気にならないように見えました。(うちの場合)
ドライフードにふりかける
コバルジンはかなりのさらっと具合なので、ふつうのドライフードだとあまりくっつかないみたいです。
あぶらっぽいタイプのフードならいくらかなじんでくれるかもしれません。
この写真はモンプチ。(あまりくっつきませんでした。)
シロ用に小わけしてあるフードにはすでに乳酸菌や食物繊維の粉末をまぶしてありますが、そこにコバルジンも追加してみました。
あまり黒っぽくならないのでわかりにくいですが、コバルジンもまぶしてます
あらかじめサプリメント類をまぜておく
シロには、ウェットフードにまぜるためのブレンドサプリメントも用意してあります。
黒い粒がコバルジン
もともとの中身はJIN(乳酸菌)、イージーファイバー(食物繊維)、ビッグウッド エンザイム(消化酵素)、ビタミンBコンプレックスをまぜたもの。
そこにコバルジンをたしてみました。
こんな感じであらかじめブレンドしておくとだれでも簡単にフードにかけたりまぜたりできるので、複数の人間で食事管理する場合などには便利だと思います。
2017年7月追記 ビタミン類や消化酵素などは酸化がすすむと効果が落ちると聞いたため、現在ブレンドして使っているのは乳酸菌(JIN)・食物繊維(難消化性デキストリン)・リン吸着剤(カリナール1)の3種類だけです。活性炭も、一緒に混ぜるものによっては効果が落ちる可能性があります。
人間目線の見た目とにおい、味
コバルジン自体にはにおいは感じられません。
口にいれた感じはつぶつぶカリカリの食感だけど味はなし。
クロのウェットフードにもまぜてみたのですが、このときは大失敗!
今みるとたしかにかける量多すぎ……
量をまちがえて、一日分を一回で使いきってしまいました。
(本当は一日1包を複数回にわけて使用するということです。)
さいわいクロの体調におおきな変化はありませんでしたが、あせりました。
みなさまは使用量にお気をつけください。
まぜてしまうと色がなじむので、みためではあまり違和感がなくなりました。
ただし猫的に食感はイマイチのよう。
ドライフードだとフード表面からとれてお皿におちてしまう量がおおいので、ちょっともったいない気がします(笑)
でもウェットフードよりは、こちらのほうがいやがらず食べてくれました。
大きさ・質感比較
左がコバルジン、右がネフガード
ネフガードにも粉末タイプがあるそうなのですが、うちではつかったことがないので残念ながらそちらの比較画像はありません。
2017年7月追記 その後粉末(顆粒)タイプも使用レポを作成しています
コバルジンはさわっても手や指がよごれませんが、ネフガードは指さきが黒くなります。
かなりこまかい粉末からできているようです。
3匹の反応(クロ、チョビ、シロ)
ドライフード(モンプチ)にふりかけて出してみました。
前提としてこのモンプチは、そのままだしても3匹全員に大好評だったものです。
クロ
(モンプチが食べられるならコバルジンなんてどうでもいいそうです……)
チョビ・シロ
「ちょっと、これたりないわよ」
「うまいうまい!」
あくまでもコバルジンの味見なんで、その量でかんべんしてください。
双方ともやはり、モンプチがあれば
コバルジンなんてあってもなくてもどーでもいいみたいですね。
クロ | チョビ | シロ | |
コバルジン (とモンプチ) |
ベースのフードがお気にいりのものだったら、コバルジンをふりかけたくらいでは食欲もおちないみたいです。
入手先
さきほどもかきましたが、コバルジンはあくまでも医薬品です。
この手のものをはじめて使う場合は独断でネット購入せず
かかりつけの病院で相談してからのほうが安心かと思います。
2017年12月追記
コバルジン、ネフガード以外だとこんなものもあります。(純炭きよら)
うちはネフガードよりも、こちらをつかうことのほうが最近多いかもしれません。
また、活性炭が配合された「腎臓ケア用サプリおやつ」なんてかわったものも最近でたようです。(ネコジーン)
コメント
こちらこそ先日はありがとうございました。
もうすぐ四十九日になります。ローズが居なくなって、時間が経つのがこんなにも長く遅く感じるなんて、体は小さかったけれどローズの存在の大きさを実感させられました。
コバルジンは本当飛び散りますよね。あと、説明書ごめんなさい。送った後に気付いて(泣)。ローズにはカプセルに入れてあげていましたが、便秘になった事もありました。腎不全が進んでいたから食欲が無くて、食べる量が少ない事も便秘の原因だったんですが…。
クロちゃんシロちゃんにどうか合うお薬であれば嬉しいです。
ローズママさん
(ごめんなさい、本名での投稿だったので勝手に直しちゃいました。本名の表示ご希望でしたらお知らせください。)
先日はありがとうございました。
あんな高価なものまでいただいてしまってすみません。
説明書は、だいたいの使い方は知っていたので使用の上では問題なかったです!
本当に、猫ってあんなにちいさな体なのに、失ったあとの心の穴はとてもとても大きいのですよね……。
私も先代の猫を亡くしたときはしばらく本当につらくて。
もう一生立ち直れない、自分も死んでしまおうかとまで思いました。
でも、時間がすこしずつ傷をいやしてくれて……今は生きていてよかったと思えます。
ローズママさんにもきっと、いつかあたたかい気持ちでローズさんを思い出せる日がやってくると信じてます。
すこしずつでも、前をむけるようになれると良いですね。
はじめまして。福岡に住んでいますぎんたママです。1月16日に病気(多発性のうほうじん)が分かりコバルジンを飲み始めたばかりです。まだ3才スコティッシュフォールドの男の子です。スコティッシュフォールドにはこの病気は多いみたいですね…。知り合いに里親で譲って頂いて家族になりました。まだ食欲もあり元気でおしっこの多さと腹部のはり以外は本当に病気かな?と思うぐらいです。病気がわかったときはあまりのショックで号泣でした。一番猫本人がきついし頑張ってるから自分が支えなきゃと前向きになるように心がけてますがふとした時に悲しみがあふれてつらいです。今は2,3週間に一回皮下注射で水分を補給し脱水にならないようにするのとコバルジンを飲むことで様子をみてます。今のところ薬が入ったごはんもちゃんといつものように食べてくれてるので安心してます。飲ませてる薬がどんな薬か?副作用は?と思いネットで調べておりましたらこちらのブログにたどりついた形です。とっても詳しく書いてあってので助かりました。便秘は今のところでない日はないですが便が固くなった感じです。乳酸菌や食物繊維は効果がやはりありますか?なるべく苦しくなく負担のないようにできるだけさはてあげられることはしたいと思ってます。
これからだんだん症状がすすみ色々でてくるのだろうと…思ってますが。なかなか経過の状態をネットなどでどうなるか調べて見るまで私自身の心の準備ができておりません。
水素の入った水等も良いとネットで見てやってみようかと色々、情報を探しております。
先生からは若いし進行も早いと言われてます。やってあげることをやって一緒におだやかにできるだけすごしたいと思ってます。
長文で失礼しました。
ぎんたママさん
ご来訪&コメントありがとうございます!
猫さんがまだ3才なのに腎疾患というのは、さぞお辛かったでしょうね……。
でもしっかり管理さえしてあげれば、きっとまだまだ元気でがんばってくれるのではないでしょうか。
先のことなんて誰にもわからないのですから先生の心無い言葉にメゲちゃダメですよー。
最近は良いお薬もありますし、療法食やサプリメントの選択肢も昔に比べてぐんと増えました。
猫さんと二人三脚(……四脚?五脚?)で、一緒にがんばっていきましょう。
コバルジンなどの活性炭のお薬は、どうしてもお通じに影響のでやすい子がいるようです。
うちの場合はとくにクロが影響をうけやすかったですね。
便秘以外でも、乳酸菌と食物繊維は全体的に体調が底上げされるのでおすすめかと思います。
うちでは病気のない猫にも毎日あげてます。
ものにもよりますが、乳酸菌や食物繊維の利点は、フードに混ぜても味が変わらず気付かれにくいことです。
いつものご飯の延長で使えるので、猫も人間もストレスはほとんどありません。
ただ、まれにおなかがゆるくなりすぎる猫さんもいるようなので、試すときは少量ずつ。
もし猫さんに合わなければ、イージーファイバーやJINは人間もOKなので自分で使っちゃいましょう。
また私の経験上、腎疾患にサプリメントを試すなら、大体次のような順だと無駄足が少ないかと思います。(あくまでも個人的な考えですが)
乳酸菌(免疫アップ、有害物質吸着)
食物繊維(腸内環境改善、乳酸菌補助)
オメガ3オイル(血流改善、腎機能維持)
活性炭(有害物質吸着)
シャンピニオンエキス(有害物質吸着)
ビタミンB(血流改善)
消化酵素(胃腸の負担軽減)
タンポポ茶(利尿作用)
水素水(活性酸素軽減)
水素水も悪くはないのですが「自宅で」「猫に」と考えた場合、効率的に摂取させるのはすごく難しかったです。
なので優先順位はかなり下。
今後うちで水素水を使うのは、おそらく相当末期になって手を尽くしたあとかなぁ……。(ほとんど神頼みレベル)
高価な水素水を使う前にできることはあるので、猫さんのためにも色々吟味してあげてくださいね。