【ビタミンBが猫の腎臓病にどう作用するのか調べてみた】

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クロとnow B-50 2022/9/19

クロとnowのB-50

 

猫の腎臓病にはビタミンBが重要」と私が知ったのは、いつのことだったでしょうか。

かつて猫の手作り食に関するブログあたりで目にしたのが最初だったかもしれません。

たしかその方が猫の栄養補助のためにnowのビタミンBを使われていて…

その影響から、うちでも使い始めたような記憶があります。

 

あれこれ探すのも面倒だったし、これまであまり深く考えずにずっとnowを使っていました。

が、たまたま先日iHerbでセールがあり、この機会に試そうと複数のビタミンBサプリを購入。

 

いざクロに、となったとき、そういえば成分的には同じなの?と疑問がわきました。

で、念のために調べてみたら……

セールのものには アロエ が入っていたんですよね~😖

 

アロエに含まれるバーバロインという成分は猫に有害で、下痢や腎炎を引き起こすとされています

 

微量とはいえ、ちょっと猫に使うにはこわいのです。

結局アロエ入りのものは使用を中止し、元のnowに戻しました。

(セール購入したアロエ入りVBは母にあげました。)

 

とまあ、そんなことがありまして。

ビタミンBはこれまでずっとなんとなくで使っていたので、この機会に改めてちゃんと勉強しようと思いました。

今回は、そのまとめノートです。

 

 

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そもそもビタミンとはなんぞや?

まずは栄養の基本から。

 

生きていくためにいちばん大切な成分といえば、3大栄養素(脂質、糖質、たんぱく質)です。

3大栄養素は、体を動かす原動力=エネルギーになります。

 

そして次に大事なのがビタミンミネラル

今回とりあげるビタミンは、エネルギーにはなれません。

ですが、3大栄養素の働きや代謝をガッチリサポートしてくれます。

ビタミンもまた、体を健康に維持するためにはなくてはならないものです。

 

ビタミンには13種類があります。

その13種類のビタミンは、さらにこの2タイプにわけられます。

    1. にとけやすい「水溶性
    2. 油脂やアルコールにとけやすい「脂溶性

 

水溶性ビタミン

  • ビタミンB群(B1:チアミン、B2:リボフラビン、B6: ピリドキシン、B12: コバラミン、パントテン酸、ナイアシン、葉酸、ビオチンなど)
  • ビタミンC(アスコルビン酸)

 

水溶性ビタミンは体内にためておくことができません。

そのため、こまめにとる必要があります。

とりすぎた場合は尿などですぐ排泄され、過剰症の心配はほとんどありません

 

ビタミンBだけ「群」なのは、発見当初はみんなまとめてひとつの成分だと思われていたから。
その後それぞれ別の機能があることがわかり、B1、B2などこまかく分類されていきました。

 

脂溶性ビタミン

  • ビタミンA
  • ビタミンE
  • ビタミンD
  • ビタミンK

 

脂溶性ビタミンは体内にためられます。

なので水溶性ほどひんぱんにとる必要はありません。

ただ排泄されにくいため、とりすぎると過剰症になることがあります

 

ビタミンBってどんなもの?

特徴

  • 水に溶けやすい
  • 湿気に弱い
  • 熱に弱い
  • 過剰症が起こりにくい
  • 尿などですぐ排泄されてしまう
  • 定期的にとらないと欠乏症になる

 

種類

ビタミンB群とされるものには、下記の8種類があります。

 

ビタミンBは、それぞれの成分がたがいに協力しあって力を発揮します。

そのため特定の目的がなければ、複数の成分が配合された「ビタミンB群」「ビタミンB
コンプレックス」というまとまったタイプを使うのがおすすめ。

 

ちなみに、海外製の「ビタミンB群」サプリには下記の成分が追加で入っているものもあります。

日本では必須とされていませんが、海外ではこれらもビタミンBのなかまとされているそうです。

 

おもな働き

 

成分名
働き欠乏(猫)過剰(猫)
ビタミンB1
(チアミン)
糖質をエネルギーに変換
神経の機能を保つ
チャスティック麻痺
(復帰反射運動の障害)
食欲不振
発育障害
体重減少
おう吐
中枢神経機能の低下
衰弱
死亡
ビタミンB2
(リボフラビン)
糖質、タンパク質、脂質をエネルギーに変換

皮膚や粘膜の代謝
脳と肝臓の働きに関与

抗酸化作用
食欲不振
体重の減少
脱毛
白内障
ビタミンB3
(ナイアシン)
エネルギーの産生
皮膚や粘膜の炎症を防ぐ
脂質や糖質の分解
下痢
衰弱
20日間未摂取で死亡
ビタミンB5
(パントテン酸)
糖質、タンパク質、脂質の代謝
神経や副腎の機能を保つ
皮膚や毛根に栄養

ホルモンの合成
やつれ
ビタミンB6
(ピリドキシン)
体たんぱくの合成や造血
抗アレルギー作用
脂質の抗酸化
食欲不振
痙攣
貧血
腎臓障害
血管の拡張
皮膚の炎症
ビタミンB7
(ビオチン)
糖、脂質、アミノ酸代謝
皮膚、粘膜、爪、髪の健康

皮膚の炎症を起こす物質の排泄

筋肉痛緩和

食欲不振
体重の減少
皮膚の病変
脱毛症
口や目の分泌物の減少
毛の色素の減少
悪臭のする便
毛並みの悪さ
麻痺
成長抑制で体の小さい子供を産む
ビタミンB9
(葉酸)
造血作用に関与
たんぱく質の合成
胎児の正常な発育促進
貧血
心臓
肝臓の肥大
食欲減退
ビタミンB12
(コバラミン)
造血作用に関与
正常な細胞の増殖
神経の機能を保つ
貧血
食欲不振
低血糖症
じんましん
脱毛
胃炎
腸炎

参考 栄養科だより城山病院)、犬と猫の食事DCClub

 

猫の腎臓病とビタミンB

腎臓病とビタミンの密接な関係

腎臓病になった猫には、以下のような症状が出ることがあります。

  • 食欲不振
  • 多飲・多尿
  • 嘔吐
  • 貧血
  • 下痢

 

食欲がおちるととれる栄養もへるので、ビタミンが不足します。

多尿になれば、水溶性のビタミンはおしっことしてどんどん出てしまいます。

嘔吐や下痢でもまた、体内のビタミンはうしなわれるでしょう。

貧血であれば、葉酸やビタミン12は造血を手助けしてくれます。

 

猫にビタミンBサプリは必要?

猫の総合栄養食や療法食は、栄養基準をもとに設計されています。

しっかり療法食を食べてくれる子であれば、VBなどのサプリは不要かもしれません。

 

ただ腎臓病になれば、食欲不振や嘔吐、多尿はよくあることになります。

健康な猫よりも栄養をとりにくく、また出ていきやすい状態になるということです。

 

さらに腎臓病用の療法食は、エネルギー量をふやすため炭水化物や脂質が多めの傾向にあります。

炭水化物や脂質が過多になると、糖尿病や肝疾患につながることも……。

そんなときも、体内にたくさんビタミンBがあれば、糖や脂質はエネルギーとして使われやすくなります。

 

ビタミンB群は水溶性なので過剰症の心配もほぼありません。

こまめに補うことは、腎臓病にもけして無意味ではないと私は考えています。

 

J-STAGEの『イヌ・ネコの基礎栄養/ビタミンの役割と要求量』で猫に必要なビタミンの量を確認できます。(2022年9月現在)
2002年とあるのですこし古いデータかもしれませんが、参考にはなりそうです。
※長いので私自身はまだ全部目を通せてないですが ^^;

 

猫に使えるビタミンB群サプリ

私が使うとしたら、この2択になります。

  • 信頼できる海外ペット用品メーカーが、猫用につくった製品
  • 信頼できる海外メーカー製(人間用)で、まぜものが少ない製品

 

あくまでも私の場合ですが、国産の人間用ビタミンBサプリは、現在猫には使用していません。理由は、成分が本当に表示の量だけ入っているのかちょっと信用できないから……。
参考 国民生活センター錠剤・カプセル状の健康食品の品質等に関する実態調査

 

 

ビタミンB群サプリ各種のメリットとデメリット

共通の注意点

  1. 酸化しやすい
    ⇒ 酸化するとにおいが出てあつかいにくくなり、成分も劣化する
  2. 水に弱い
    ⇒ しけるとベタつきがでる、フードに混ぜて長時間おくと劣化する
  3. 熱に弱い
    ⇒ 高熱で劣化するため、フードに混ぜたあとの加熱は厳禁
  4. 味とにおいがきつい
    ⇒ フードに混ぜても食べないか、あとで吐くことが多い

 

パッケージによる比較

真空パックしたnow B-50

 

  • アルミパウチ

○開封前であれば長期間酸化しにくい

×一度開封したら酸化はすすむので、保管方法に注意

 

  • ボトル

○開閉しやすくつかいやすい

×ひんぱんな開閉で酸化が進みやすい

 

⇒アルミパウチから当面つかうぶんだけ取り出し、残りは真空パックなどで酸素を抜いて保管するのがおすすめ。
【脱酸素剤と真空パックでキャットフードの酸化を防ぐ】
ドライフードを飽きないようにローテーションしようとすると、気になるのが保管の方法。フードの酸化は健康にも影響します。うちでは現在簡易真空パック器で保管しているのですが、ドライフードはデコボコが多く空気が残るので、もっとしっかり抜きたいと思っていました。

 

形状による比較

now B-50 カプセルのなかみ

  • 粉末

○そのまますぐ使える
○甘さや香りがつけられているものは、猫でも比較的そのまま食べやすい
×むきだしなのでより酸化しやすくしけやすい
×添加物やよけいな成分が入っていることも多い

 

  • カプセル入り粉末

○添加物は比較的すくない
○カプセルがあるぶん多少湿気や酸化に強い
×猫には大きすぎるので小カプセルへの詰めかえが必要
×粉末のままだと味が悪く、フードに混ぜて使いにくい

 

  • 錠剤

○小さいものはそのまま飲ませやすい
○においは少なめ
×大きなものはピルカッターでカットする手間がいる
×粉末にする場合はすりつぶす手間がいる
×固めるために添加物が多くなる

 

⇒カプセル入り粉末はまぜものすくなめなところが良。
猫が飲めるサイズのカプセルに薬さじで移しかえて使うのがおすすめ。
【苦い薬とたくさんの薬はカプセルが便利!~最適サイズメモ】
クロは昔からわりとすんなり錠剤を飲んでくれる猫でした。 おかげでこれまで、あまり投薬では苦労してきていません。 クロの食欲がおちて食欲増進剤(レメロン)を始めたときが、わが家のカプセル使用のスタートでした。 空カプセルを使うのがおすすめの状...

 

成分による比較

各製品で比較する元の量が違うため、配合量の大小ではなくバランス確認用です。

 

比較参考例アズミラ 犬猫用サプリメント Bコンプレックス50 (20カプセル入)NOW Foods, B-50、ベジカプセル100粒現代製薬 ザ・ビタミン(猫用) 粉末25g
1カプセル中1カプセル中0.5g中
B1
50mg
50mg
0.15mg
B2
50mg
50mg
0.125mg
ナイアシン
50mg
50mg
1mg
B6
50mg
50mg
0.125mg
葉酸
400mcg680mcg0.02mg
B12
50mcg
50mcg
0.001mg
パントテン酸
50mg
50mcg
0.23mg
ビオチン
60mcg
50mcg
VB以外の栄養成分
レシチンほか
なし
VA、VE、VD3ほか

2022年9月24日追記 アズミラのB6、葉酸で単位が逆になっていたのを修正しました

 

⇒個別にみてみると、製品ごとにわりと配合バランスがちがいます。
ペット用のものは葉酸などがより多めに配合されている印象? ← 単位がまちがってました。すみません
いずれにせよ多くとったものは排泄されるだけなので……
配合バランスに関しては、あまり深刻に考えなくても良いかな?と思ってます。
【2016年12月猫費~ビタミンBサプリで迷走中 】
今回は一年分の医療費の合計も出しています。健康保険がないのでどうしても高額になりますね。もしこれから猫と暮らそうと思われている方には、子猫の時期からぜひ毎月の積みたて貯金をお勧めします。近年は猫もどんどん長生きになってきていますので、最終的に医療費がかさむ可能性はかなり高いです。

 

機能による比較

 

  • タイムリリースタイプ

〇少量でも長時間の効果が期待できる
×価格はやや高め
※パッケージに「タイムリリース型」と明記されている

 

  • 通常(非タイムリリース)タイプ

価格がリーズナブルなものが多い
×すぐ対外に排出されてしまうので、数回にわけて与える必要あり
※「タイムリリース型」と明記されていない場合はほぼ全てこちら

 

⇒アズミラはたしか、タイムリリース型だった気がします。
人間用VBサプリだと、iHerbでは良いタイムリリースVBカプセルが見つけられなかったんですよね…。(本当はタイムリリース型を使いたい)
タイムリリース加工だと少量でも体内で長時間働いてくれるので、最終的な摂取量がけっこうかせげそうですよね。

 

摂取方法による比較

  • フードに混ぜて与える

〇通常のフードやおやつに混ぜるだけなのでかんたん
×フードの味が変わることも多いので、食の好みが繊細でない子向け

 

  • カプセルに詰めて飲ませる

〇薬もサプリもまとめて1回で飲ませられる
×粉末をカプセルに詰めるのにちょっと工夫やコツがいる

 

  • そのまま(錠剤)飲ませる

〇お口にポイなのでかんたん
×錠剤が大きい場合はピルカッターなどで小さくする必要あり

 

⇒”粉末をそのまま飲ませる” はほぼ不可かと… ^^;
一度自分でなめてみるとわかるかもしれませんが、純粋なVBパウダーは味やにおいがけっこうアレなので…
猫はヨダレだらだらで吐いちゃうと思います……

 

対象による比較

  • ペット用

〇ペットの使用が前提なので安心感がある
×人間用にくらべると割高
※余計な成分が入っていることも

 

  • 人間用

〇人間と猫で共用でき、コスパが良い
×猫への使用は自己責任
※猫に有害な成分が添加されていないかを要確認

 

⇒ペット用として販売されている国産ビタミンサプリもありますが、前述のように国産サプリの信頼度がかなり低いので、個人的にはあんまりおすすめしたくないかな~

 

まとめ

猫の腎臓病に良いとされるサプリメントは色々ありますが、やはり基本的な栄養素から見直すのも大事だなーと思いました。

ビタミンBはわりと地味なので、あまり話題にはのぼらないんですよね~

でも猫といっしょに自分でも飲み続けてきて、じんわり体力が底上げされている体感があります。

 

本当はこのあとの項目で、おすすめのビタミンコンプレックス製品を紹介しようと思ってたのですが……

次回以降にまたあらためて。

すでにボリュームがすごくなったので、いったんここでまでにしておきます。

次回は、それぞれのVBサプリの良い点、悪い点などを比較しながら、ご紹介できればと思います。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。
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コメント

  1. 石田 より:

    いつも参考にさせていただいております。
    我が家でもnowフーズのビタミンB-50を飲ませてみたいと思い、購入しました。

    量は1日あたりどのくらい与えていらっしゃるのか教えていただいてもよろしいでしょうか。(もしよろしければ猫さんの体重も教えて下さいませ。)

    • M より:

      石田さま

      コメントありがとうございます。
      現在ビタミンBを与えているのはクロのみで、体重はだいたい4.0~4.3kgです。

      ちょうど同様の質問をメッセージでいただいたので、そちらへの回答から一部抜粋して転載しておきます。

      —【転載ここから】—

      以下、あくまでも私の考え方なので、参考程度でお願いします。

      私が人間用のサプリメントを猫に与える場合、体重から考えて、だいたい1/10くらいを目安にしています。
      人間を50kg前後とすると、猫が5kg前後の想定です。

      なので、ビタミンBの規定量が1日1カプセルであれば、猫にはカプセルの内容量1/10くらいからスタートします。
      猫の体重がもっと少なければより少ない量から。
      体重の多い猫であれば、もう少し多い量から始めます。
      その後は体調や様子を見ながら増減していきます。

      また、水溶性ビタミンは一度に多くとっても尿で出てしまうので、うちでは1日分を朝晩2回にわけて与えてます。

      —【転載ここまで】—