お願い 今回の内容は、馬肉を腎臓病の猫に与えることを推奨するものではありません。ご利用の場合は自己責任でお願いいたします m(_ _)m
週末、父が夕飯用に馬刺し(人間用)を買ってかえりました。
これがかなりおいしい馬刺し。
もともとケモノ肉全般が好きな父と私は言うにおよばず、
牛・豚・鶏以外の肉がニガテな母ですら、「おいしい!」と絶賛するほどです。
父「じゃあ、ちょっと猫たちにもおすそわけしてやるか~」
うーん、クロやチョビはおさしみニガテだし……
馬肉も生はムリじゃない?と思ったのですが、これが意外な結果となりました。
はじめての馬刺し。猫たちの反応は?
生ものはどれもニガテなクロ。
初のケモノ肉への反応は、はたして。
クロ
「これなぁに…?(ジト目)」「(ぱくり)………あ、おいしい」
はじめはいくらか警戒していましたが、においをチェックすると食べはじめました。
とちゅうからは「もっともっと」とさいそくしていたので、かなりお気にめしたごようす。
チョビ・シロ
(2匹の写真はイメージです)
「なにこれ!おいしいわ!もっとちょうだい!」
二匹は夕飯のときに父があげてしまったので、写真がなくてすみません。
チョビはかなりこのみだったようで、なかば興奮気味で完食しました。(たりなそう)
意外なのがシロの反応。
あれほどいつも「ごはんごはん」とさわぐくせに、馬刺しにはまったく興味なし。
おさしみのときは大さわぎでほしがるのですが。
シロはケモノ肉より魚のほうがおこのみのようでした。
フク
(おそるおそる…)「……おいしい!」
そして、ちょっとおもしろかったのがフクちゃんの反応。
これまで生のケモノ肉(とくに馬)は食べたことがないのか、見せたらにげました(笑)
はしっこをムリヤリ口にひとかけ入れてみたら、あとは爆食。
フクちゃんもかなり気にいってくれたようです。
クロ | チョビ | シロ | フク | |
馬刺し |
食べさせた感想
なんでも食べるシロだけが拒否という、かなりのレアケースでびっくりしました。
でも3匹ともこんなに反応いいのなら、今後、食欲不振時のおたすけ食材として検討してみようかな?
……ということで、馬肉についてもうちょっと調べてみましょう。
とくに腎臓がわるい猫でも食べることができるのか?は、気になるところです。
馬肉(Wikipedia)
まずは基本、馬肉についてのウィキペディア。
馬肉(ばにく)とは馬(ウマ)の肉のこと。一部の国、地域、民族では食肉とされるが、国、民族等によってはタブー食とされている
ウマは消化能力が低く食性も狭いため、食用として飼養した場合は牛(ウシ)や豚(ブタ)と比べて生産コストが高い。一方、廃用乗用馬があり、また、一般的に消費者による選好性も牛肉や豚肉に比して低いことから、馬肉は安価な食肉として、ソーセージやランチョンミートのつなぎなどの加工食品原料や、ペットフード原料に利用される。ただし、食用として育てられたものや、馬刺しなどで利用可能な部位は比較的高値で取引される。
食肉
部位
馬肉は、他の畜肉と比較すると栄養価が高く、滋養強壮、薬膳料理ともされる。
牛、豚、鶏などの肉より、低カロリー、低脂肪、低コレステロール、低飽和脂肪酸、高タンパク質。
タンパク質が多いだけではなく、アミノ酸が20種類程と豊富。
ミネラルの内、カルシウムは牛肉や豚肉の3倍、鉄分(ヘム鉄)はほうれん草・ひじきよりも多く、豚肉の4倍・鶏肉の10倍を含有。
多種のビタミン類の含有が豚肉の3倍、牛肉の20倍。ビタミンB12は牛肉の6倍、ビタミンB1も牛肉の4倍、ビタミンAやビタミンEも多い。
牛肉の3倍以上のグリコーゲンを含有。
日本では生食されることも多いが、衛生管理には注意を要する。ウマは、反芻動物ではないため、大腸菌O157のリスクも低いとされ、カンピロバクターの感染リスクも低いという報告もある。また、奇蹄類であり、発症例から口蹄疫のリスクは低いとされている。
寄生性原生生物のフェイヤー肉胞子虫(ザルコシスティス・フェアリー、Sarcocystis fayeri )に感染した馬の生肉による食中毒(サルコシスチス症)の事案が2011年4月25日、厚生労働省薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒・乳肉水産食品合同部会において報告され、2011年8月23日には「S. fayeri の検査法(暫定法)」が通知されている。(中略)
部位
馬肉の部位の名称とその特徴は、牛肉や豚肉のそれと大きなずれはない。ただし、ウマにしか存在しない部位もある。また、牛肉や豚肉ほど共通規格が徹底していないため、地域や業者によって呼称や部位の分け方が異なる場合がある。
ロース
- 肩ロース – 馬刺しのほか、しゃぶしゃぶなどに用いられる
- リブロース – 背中。商品価値が高い
- サーロイン
ヒレ
バラ
- 肩バラ – 「霜降り馬刺し」とされる。
- バラオビ – 後バラの内側。サシが多く、加熱料理に向く
モモ
- クロッド – ウマの上半身。「赤身」として流通する場合が多い
- ランプ – ウマのお尻。
- シンタマ – ウマの下半身で、モモ系の中で肉質が柔らかい部位。さらに「シンシン」など4つに小分割される。
- 外モモ – 馬刺しの赤身とされる部位
- 内モモ
コウネ – タテガミ部分の脂身で馬肉独特の部位。
内臓等
- センポコ – 大動脈を指す筑後方言。久留米市などで焼き鳥のようにして利用。
- ハツ、ハルツ、ヘルツ – 心臓
- ダルム – 小腸
- タング – 舌
馬肉を与えるときの注意点は?
馬肉を与えるときに心配な点もいくつかあったので、対策をかんがえてみました。
食中毒・寄生虫
- 馬肉は牛や豚より大腸菌がでにくいが、でないわけではない
- 寄生虫がいることがあるが、冷凍すれば死滅する
⇒生食用としてきちんと処理されたものを選ぶ
アレルギー
- 牛や豚に比べるとでにくいが、まれに馬肉アレルギーのでる猫もいる
⇒少量からためして、アレルギーの有無を確認する
成分(とくにたんぱく質)
- 高たんぱくなので、とりすぎると腎臓に負担
⇒腎臓が悪い場合は分量に気をつけ、馬肉だけを大量に与えないようにする
冷やす食材
- 漢方、薬膳的には体を冷やす食材とされている
⇒食べ物以外の部分で温める(体の保温など)
⇒暖かい季節にだけ与える
馬肉の栄養価は?
一般に高たんぱく・低脂肪なヘルシー食材といわれる馬肉。
具体的な成分の数値はどれくらいなのかをしらべてみました。
食品成分 (可食部100g中) |
エネルギー | 水分 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 灰分 |
単位 | kcal | g | g | g | g | g |
肉類/うま/肉、赤肉、生 | 110 | 76.1 | 20.1 | 2.5 | 0.3 | 1.0 |
食品成分 (可食部100g中) |
ナトリウム | カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 |
単位 | mg | mg | mg | mg | mg | mg |
肉類/うま/肉、赤肉、生 | 50 | 300 | 11 | 18 | 170 | 4.3 |
参考 食品成分データベース(文部科学省)
腎不全の猫の摂取基準と比較
腎不全の猫にたいするウェットフード成分のボーダー(100gあたり)は…
いっぽう、今回の馬肉。
馬肉を「ウェットフード」と定義した場合、リン170mg=0.17g、ナトリウム50mg=0.05gとすると、生肉100gあたりでは…
リンとナトリウムは意外とすくないようですが、たんぱく質はやはり多めでした。
このままでは、単純にウェットフードとして与えるのはむずかしそうですね…。
生肉なら口内炎でも痛まず食べられるようなので、できればフクちゃんにはたまにあげたい気もします。
なにか良い方法はないものかなぁ。
いつものフードから、一日にとれるたんぱく質を逆算
猫に必要なタンパク質の量は、1日につき体重1kgあたり3〜5gとも、7gともいわれています。
ただ、この数値は猫全体で計算されており、世代や体調は考慮されていないかもしれません。
腎臓がわるく、たんぱく質量を制限したほうが良い場合はどのていどまでとれるのでしょうか。
体重4.5kgのクロが一日に必要なたんぱく質量を、上記の最低数値(3g)で計算すると、13.5g。
そして、以前計算したクロの一日の必要エネルギー(推定)量は216kcal。
いつも食べている腎臓用の療法食から、とっても大丈夫なたんぱく質量を逆算してみましよう。
jpスタイルキドニーキープで逆算
今のメイン、jpスタイルキドニーキープで216kcalとるには、60gを食べる必要があります。
jpスタイル60gにふくまれるたんぱく質量は24%、つまり、一日に14.4gのたんぱく質をとっている計算。
ドライフードだけで計算するのも不安なので、ウェットフードでもみてみます。
スペシフィックFKWで逆算
FKW100gが160kcalで、たんぱく質量7.9%。
FKW 130gで、約216kcal(クロの一日の必要エネルギー量)。
FKW 130g中のたんぱく質は約10.3g。
ヒルズk/d缶(ツナ)から逆算
ヒルズk/d缶(ツナ)100gが約109kcalで、たんぱく質量5.0%。
ヒルズk/d缶(ツナ)が198gで、約216kcal(クロの一日の必要エネルギー量)。
ヒルズk/d缶(ツナ)198g中のたんぱく質は約9.9g。
腎臓病の猫に馬肉はダメなの?とりあえずの結論
むむむ。
それぞれのフード(療法食)に含まれるたんぱく質量って、けっこう幅があるんですね。
今回はざっくりと
という結論にしておこうと思います。
人間の場合でもそうですが、腎臓病で必要なのは、あくまでも「適たんぱく」。
かつては「たんぱく質は制限すればするほど良い」とされていた時代もあったそうですが……
現在では過剰なたんぱく制限はかえって腎不全を悪化させるといわれているそうです。
(そう考えると、FKWやk/dではたんぱく質がむしろ足りてないといえるのかも。)
で、いつものごはんのたんぱく質量を馬肉に換算すると?
現在食べている療法食で、なんとか体調はキープできていますので。
ふだんのフードを目安に計算してみると、馬肉(赤身)の場合、
一日におよそ50~70gくらいなら食べても大丈夫ということになりそうです。
補足
今回の計算は、それぞれ重量百分比や成分分析値が入り乱れているので、あまり正確ではないかもしれません。
(それ以前に単位や計算がまちがっていて、全然使えない可能性もあります。まちがってたらご指摘ください。算数ほんとーーーにニガテなのです。ごめんなさい ;_;)
なので、今回の結論は、あくまでもめやすと考えていただければと思います。
また、この数字(馬肉50~70g)は一日分すべてのたんぱく質量にあたるので、いつものご飯とバランスをとる必要はあります。
さすがに1日3回馬刺し、とかだと栄養バランスがまずそう(笑)
1日3回ご飯をあげていて、そのうち1回を馬肉に置き換えるのであれば、16~23gくらい。
このようにたんぱく質量を計算しながらであれば、なんとか与えることができるかも。
改めての確認ですが、これは馬肉を腎不全の猫に与えることを推奨するものではありません。
ご利用の場合はあくまでも自己責任でお願いいたします m(_ _)m
馬肉の入手先
馬刺しであれば、デパートやスーパーで入手できますがちょっとお高めかも。
ペット用に馬肉を販売しているネットショップも、さがせばわりとあるようです。
これまであまり生肉そのものはごはんのターゲットにしてこなかったのですが、馬肉のあまりの食いつきのよさに、ちょっと考えがかわりました。
とくにフクちゃんは、口がいたいときでも生肉(おさしみ以外でも)は食べるということがわかって良かったかも。
今後また機会をみて、どれくらいまで食べられるのかを検証してみようと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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コメント
ジビエは平気な私ですが、馬肉はないです。
熊本に行った時も食べなかったです。なに食べてたのか?不思議。
先祖は生肉を食べていたはずですから食べられるんでしょう。
びっくりはシロちゃんです。苦手なものがあったのね(笑)
我が家はおさしみもトライしたとこないのです。自分があまり食べないことと、何買っていいかわからないので。
おさしみ祭りやりたいなぁ~とは思ってますが。
なかなか手に入らなそうなお肉ですが、選択肢としてあってもよいかもですね。
余談ですが私の住んでいる地域には鹿肉がでます。
レナルがダメになってきました。腎サポスペシャル開けました。300gぐらい食べると飽きるの?と聞いてみたい。
にゃあ×3さん
私も猫が生肉好きなのはむしろ自然かと思うのですが………どうしたんだろうシロ(の野生)……
おさしみ多用すると以前のフクみたいに腎臓の数値悪化しますし、あげないならあげない(知らない)で良いのかもしれません。
でもおさしみ祭りって楽しいんですよね~モテモテ気分が味わえて (*^^*)
コミュニケーションとしてたまーにならいいかな?と。
鹿肉いいですね。猫用冷凍肉売ってるネットショップにもあった気がします。
猫との生活は一生フードジプシーなんですよ………最近あきらめつきました…。