前回の記事はこちらです。
↑このようにして作ったキドナ液。
今回は、フクちゃんにシリンジで飲ませるときの私の手順をご紹介します。
ただし自己流なので、あくまでもご参考ていどに…… ^^;
猫さんたちにはそれぞれの個性や、症状、給餌方法との相性※もありますし。
できればいろいろな選択肢のなかから、その子にぴったりの方法をみつけてあげたいですよね。
猫と協力しながら「最終的にオリジナルメソッドをつくりあげる」くらいの気もちがいいのかも。
私とフクちゃんの強制給餌も、道のりはまだはじまったばかりです。
今後いろいろ試行錯誤しながら、なるべくフクちゃんにも楽な方法をみつけてあげたいなーと思っています。
※強制給餌には、口以外にも経鼻や食道、胃ろう、経腸カテーテル(チューブ)という方法があります。
シリンジ給餌をするための準備
まずはキドナ液をシリンジにいれておきます。
たしか半年くらい前から、体重維持のためキドナでのカロリー補填をはじめたのですが
そのときは1回1/4包、1日半包でおこなっていました。
その後食欲と体重がまたおちてきたので、すこしずつキドナを増量。
現在は1日にキドナ1包強(1回1/2包強)です。
これでまだなんとか、ギリギリ体重減少をくいとめられています。
シリンジの選択
シリンジ給餌をはじめたころは量もすくなかったため、20mlを1本だけでした。
いまは量もふえ、20mlシリンジを2本使っています。
現在飲ませている量はだいたい30~50ml前後。
場合よっては30mlシリンジ1本ですみますし、そのほうが用意も片づけも楽です。
ただ、30mlシリンジでキドナを飲ませるのは、私にはむずかしかったです。(;^_^A
ちょっと力をいれまちがうとピューッと噴出してしまったり。
(ふといわりにスルスル押せるので、ドロドロ系流動食にはむしろ使いやすそうですが)
あれこれためした結果、けっきょく使いなれた20mlシリンジにもどしました。
キドナの濃さ
前回もかきましたが、飲ませる量はすくないほうが猫も楽だろうと考え、当初はけっこう少量・濃いめでつくっていました。
ところがどうも、フクちゃんの場合は濃いめのときほど飲みこむのがしんどそうで……。
ためしにシャバシャバのうすめでつくってみたら、そちらのほうがスルスルと飲んでくれました。
フクちゃんには量のすくなさよりも、のどごしのよさのほうが大事だったみたいです。
ただ、フクちゃんはお口のトラブル満載なのでそんな傾向ですが
そうでない猫さんの場合はもしかしたら、量がすくないほうがいいのかもしれません。
シリンジの用意
日常的にシリンジをお使いのかたはすでに実感されているかもしれませんが
シリンジは、水ものと油もので使いわけたほうがいいと思います。
- 水もの=水、水溶性の液体サプリメントなど
- 油もの=流動食など
知らずに1本を両方で使っていたころは、シリンジのゴムがぬけたりとれたり。
摩擦がおおきくてゴムがすぐダメになっていました。
それぞれで使い分けるようにしたところ、シリンジの寿命もぐーんとアップ。
キドナはアブラっけがあるので、油もの用のシリンジを使います。
あとこれは病院でおそわったのですが、あらかじめシリンジのゴム部分に流動食をすこしつけておくといいです。
するとゴムのすべりがよくなり、スムーズに給餌ができるようになります。
シリンジにキドナ液を充填
シリンジでキドナを吸いあげます。
ふつうに吸うと空気もいっしょにはいってしまうので、どうにかして空気をぬかなければいけません。
まあ、空気があっても強制給餌には使えますが、さいごに空気だけブシュッとでて液がはねるので、私はイヤ(笑)
ほんとうなら病院でやるように、上にむけてピュッと押しだせばいいのでしょうけども。
キドナでそれをやると、まわりが汚れるのでちょっとめんどうなのです (;・∀・)
そこで、私は自己流でこのようにしています。
まず吸いこみ口を上にむけ…
中筒をひいてさらに空気をひきいれると、先端にたまっていた液がいっしょに下におちます。
その後あらためてゆっくり中筒を押しあげ、空気をおいだします。
おなじようにもう一本用意し、これでシリンジの準備ができました。
猫の保定
おとなしく強制給餌をうけいれてくれる猫なんてごくわずかかも。
はげしく抵抗したり、いやがったりするのがおそらくふつうでしょう。
そういう場合、市販の保定用バッグを使ってみるといいかもしれません。
手先の器用なかたであれば手作りもできます。
フクちゃんの場合もいくらか抵抗しますが、さいわいにげるほどではありません。
にげるというより、むしろちいさくなってふるえている感じ。
(毎回なるべくやさしく声をかけ、できるだけ緊張をほぐすようにはしていますが…。)
顔まわりのよごれ防止用にペットシーツを用意
シリンジ給餌には液だれ、液よごれがつきものです。
キドナが毛につくとゴワゴワになってしまうので、なるべくよごれないようにタオルやペットシーツで顔まわりをくるんでいます。
ほんとうはタオルのほうがやわらかくていいのですが、うちでは現在ペットシーツを使っています。
というのも、毎日・朝晩タオルを使うと、どうしても洗濯物の量がふえてしまいまして。
しかもシミつきタオルばかりになり、母に「タオルじゃなくてぞうきん使って!」と怒られたのでやめました(笑)
ぞうきんはゴワゴワするし、ちょっときたないしなーと、使いすてできるペットシーツに。
ペットシーツもいくらかゴワつきますが、なれれば大丈夫でした。
私の場合、ペットシーツは薄手で小ぶりのほうが使いやすかったです。
レギュラーサイズ(44cmx33cm前後)だと顔まわりぐるっとつつむのにちょうどいい感じ。
うちがいま使っているのはこれ。
とにかく安くて大量だったためセールで入手してみたのですが、以前使っていたものより吸いこみがイマイチだったかも。
「ペットシーツ 薄型 レギュラー」で検索すればほかにもいろいろでてきます。
興味がおありのかたは、下記からさがしてみてください。
シリンジ給餌のやり方
猫の体勢
フクちゃんはいったん確保してしまえば、あまり抵抗せずに飲んでくれるので楽なのです。
最近はあぐらでなくてもだいじょうぶ。
飲ませるときはこんな感じであごをうえにむけ、口の横からシリンジで流しこみます。
いずれにしても、後ろからおこなうのがいちばんやりやすいですね。
ペットシーツの使いかた
ペットシーツは半分に折り、折りめの山を上にして首まわりにぐるっとまきます。
ペットシーツの固定と顔の固定を片手でしたいので、合わせめは顔の前にもってきます。
この状態なら、シーツをもった手で顔のむきをかえることもできます。
ただなれないうちは、写真のように片手でシーツをもったまま作業するのはむずかしいです。
そのときは、シーツを洗濯ばさみや安全ピンなどで固定してやってみてください。
(そのときは合わせめはうしろへ。)
あと写真ではわかりにくいですが、ペットシーツの下半分をさらに外側にむかって折りかえしてあります。
こうすると折りめのなかに、口からこぼれた液をうけられるのでちょっと便利なのでした。
シリンジの持ちかた
ふつうにイメージする注射器の持ちかたって、どんなですか?
たぶんこのかたちではないでしょうか。(指3本しかつかわない)
でもこれだと強制給餌はやりにくいんです。
力かげんがむずかしく、おしそこなうとドバッとでて悲惨 ^^;
病院でおそわったのは指4本で固定するこのかたちでした。
(以前から自分でも無意識にやってましたが)
この状態から親指で中筒をそっとおします。
力の調節がしやすくなるので、いっぺんにでるミスもだいぶへらせます。
ほそいシリンジからふといシリンジまで、この方式はわりとオールマイティ。
猫のシリンジ給餌や給水ではこの持ちかたを基本にしてみてください。
飲ませ方
飲ませている最中は両手がふさがっているので、かんじんの写真がとれませんでした。
もし可能なら固定したスマホで動画撮影にもチャレンジしますが、まだ余裕がなくきびしいです(笑)
飲ませ方は、まず猫のうしろから、顔をなるべく上にむけて固定します。
自分のきき手がわにある口のはしから、シリンジの先をさしこみます。
私は右ききなので右ですが、左ききのかたは左からのほうがやりやすいと思います。
フクちゃんは右の口角がただれているので、はじめは対面姿勢で、フクちゃんの左口角から飲ませていました。
でもこれっておたがいけっこう体勢がしんどい。
結局右からにして、なるべくそこに液がつかないよう気をつけることにしました。
まあ、ほぼ無理なんですけどね。
毎回さいごはこんなありさまなのです。
準備ができたら、シリンジからキドナ液を、すこしずつ口にながしこみます。
いったん飲みくだしたのを確認したら、またすこしながしこむというくりかえし。
猫と呼吸をあわせながら、ゆっくりゆっくり飲ませます。
フクちゃんの場合、上あごの巨大な穴が鼻腔にかけて貫通しているので、そこに液がはいるとむせてしまいます。
ほんとうならなるべく上をむいてもらうほうやりやすいのですが、フクちゃんでそれをやると穴にはいりそうでちょっとこわい。
なので、右の口角~口腔~のどのラインが、なるべくまっすぐ垂直にちかくなるような角度で、顔をかたむけています。
その状態ですこしずつながせば、ほぼむせないで飲めるようでした。
まとめ
シリンジでの強制給餌は、ふつうの猫さんであれば、なれたらそんなに大変な作業ではないかと思います。
フクちゃんはいろいろハンデがあるもので…… (;^_^A
……まあ、猫さんの性格にもよるので、ケースバイケースでしょうか。
うちもチョビだと口からは無理かもしれないです。
トータルだと、むしろこちらのほうが猫のストレスはすくないそうです。
猫と強制給餌はおそらくきってもきれない関係。
おおくの飼い主さんがいちどは経験することでしょう。
ネットで検索すると、やりかたを説明されているサイトもいろいろあるようでした。
強制給餌でなやまれたら、先輩飼い主さんたちが記録してくれたやりかたも、ぜひ参考にしてみてください。
私もこれからもっと勉強していきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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コメント
こんばんは(^-^*)/
フクちゃん、お写真では元気そうで安心しました。
すこしでも、自力で食事ができるように願っております(=^_^=)
フクちゃんの場合、口腔内のトラブルがあるので涙目になっているのは、想像以上にしみってつらいかもしれませんね(>_<)
人間でも、小さな口内炎がひとつでもできると、痛くて食事がつらいので、ねこちゃんの小さな口に、トラブル満載だと、フクちゃん、想像できないくらい、日々頑張って過ごしているのですね(^^*)
写真のフクちゃんは、愛情のおかげで幸せそうです(^-^)
すこしでも、食欲が戻るよう願っております(*^-^*)
Mさん、こんにちは!
お返事ありがとうございました。
フクちゃん、頑張ってますね。
少しづつでも、食欲が戻りますように…
頑張ろ、フクちゃん!
Mさんの愛情もたくさん入った流動食だから
きっと食欲は戻るのよ!うん!
今日は昨日からの雨がまだ止まず
肌寒い月曜日。
Mさん、風邪引かれませんように。
また遊びに来ます( ´・ω・)シ
ちょっと時間があったらシリンジの口を上にしておくと勝手に空気が上にいくはず。
かっこよく上向きで押さなくても大丈夫ですよ。
フクちゃんかわゆいですよ。
ご飯を食べましょう、と声かければ大丈夫、きっとわかってくれます。
動物のお医者さんのミルク入りホッケを思い出しました。
ネタふるー
◆コニシマイさん
幸せかはわかりませんが、とりあえず日々くつろげてはいるようです(笑)
食欲低下も口内炎のせいと思われるので、予定を繰り上げて週末あたり病院でみてもらおうと思います。
◆めいじさん
保護直後のボロボロな時期でも食欲旺盛だったので、こんなに食べられないのはやはりよっぽど痛いのかもしれません。
でも、お刺身だけはいっくらでも食べるんですよねぇ~あげないけど (;´∀`)
◆にゃあ×3さん
そうそう、あれかっこいいですよね。キドナではやりませんが。>上向きで押す
動物のお医者さんは単行本がまだうちにあったはずです。
ミルクホッケなエピソードが思い出せないので今度探します。